カヴァー集を聴くことでカヴァーされた本人の魅力が、もっとわかるようになる。これは、そういうアルバムだ。昨年デビュー15周年だったPUFFYは、これまで様々なアーティストの曲を歌ってきた。ここには、奥田民生、スピッツ、吉井和哉、フジファブリック、ザ・クロマニヨンズなど、楽曲提供者自身の演奏が集められている。また、収録曲の半分以上は新たに録音されたもので、The Birthday、斉藤和義、気志團、グループ魂、真心ブラザーズ、ギターウルフなどが参加。女性デュオのカヴァー集だというのに女性アーティストの参加はなく、男だらけなのが特徴になっている。
　
PUFFYの場合、男性アーティストが歌っても不思議でないどこかざっくりした感じ、粗野だったりぶっきらぼうだったりの要素がある曲をキュートに歌って見せるところに魅力があると思う。その意味で今回のカヴァー集は、PUFFYの曲が持つ男臭い要素を拡大したものであり、これを聴くと逆に彼女たちがいかに（海外でも使うような意味での）「カワイイ」デュオか、浮かび上がるようになっている。よい企画盤。（遠藤利明）