そこで起こっている事柄が濃密な内容であるほど意識し難く、また、同じ長さとは思えないほどに短く感じられるのが「時間」だ。前作に続き『氷結』のCMソングとして使用されている“ポイント”や“Hurly Burly”といった楽曲群を抑え、ニューシングルの表題曲の座に収まったのは“Spending on my time”。君への想いに悶々と耽る「あの時間」を、3人の交錯しながらひたすらリフレインする歌詞が、小気味好いパーカッションの効いたトラックが、描き出してゆく。この曲は凄い。聴く者それぞれのプライヴェートな視界に委ねられたテーマと、「音楽の流れている時間」が哲学的なまでに、かつポップに結実しているという点で、ジョン・ケージの歴史的作品“4分33秒”と並べて語りたくなってしまうようなナンバーである。普通に考えれば、Perfumeのようなトップ・アーティストがシングルとして放つには大胆なナンバーだろう。変わらず挑戦的な姿勢には感嘆の溜め息が漏れる。
“ポイント”と“Hurly Burly”、及びインストがカップリング。フィジカル・リリースはやはり嬉しい。(小池宏和)