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秦が敬愛する作家陣との共作による6つの新曲と4つの既発曲を収めた豪華コラボ作。この新曲群が、漏れなく素晴らしい。sumikaとの、ホーンが彩る軽快なロックンロール“ハローサーリアル”。TOMOOとの、陰さえ美しいフォーキーな“青葉”。又吉直樹との、朗読から歌唱への空気感を引き継いだ移行が見事な“ひとり言”。リサ・ローブとの、晴れやかに澄み渡るフォークロック“Into the Blue”。ハナレグミとの、ノスタルジックな歌世界をストリングスが一層引き立てる“No Where Now Here”。そして極めつきが、草野マサムネを招いた“ringo”。軽快なメロディに性と死と愛と憂鬱をサラリと溶け込ませたリリックが合わさる至上のパワーポップで、秦ひとりによる作曲にもかかわらず、絶頂に漲ったスピッツ・マジックを感じずにいられない。秦 基博という作家が「自分はこれがしたい」よりも「この人のこれが聴きたい」を優先した結果、むしろ自らのポップポテンシャルが爆発するという、気まぐれな大衆音楽の女神が微笑んだ傑作だ。(長瀬昇)他者のためより輝き放ってやまない才能
秦 基博『HATA EXPO -The Collaboration Album-』
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