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1曲目の“Border=Border”を再生した瞬間に聴こえてきた、UKロックバンドかのようなザクザクと刻むギターの音で、違うアーティストの音源を再生したのかと思った。それはXIIXからTenTwentyへと読みやすい名義に変更したことによって、もっと音楽自体もわかりやすい、ポップなものになるんじゃないかと予想していたから。もちろん先行配信された“煌めき”はそうしたキャッチーさ、間口の広さを感じさせるが、“きみは幽霊”はトラック的なサウンドのヒップホップだったりと、むしろこれまで以上に自分たちがやりたい音楽をやっているという振り切りっぷりを感じさせる。それは《僕は僕でしかないから/つまりどこへでも行ける/僕に無いものは誰かに任せて/進めありのまま》と歌っているように、表記が変わっても音楽で自由自在に遊びつくすというこのユニットの意志は何も変わっていないから。それを音楽でしっかり示すための再出発EP。やっぱり斎藤宏介と須藤優でしか作れない音楽。(ソノダマン)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年5月号より)
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