Varietyの投稿はこちら。
報道によれば、バンドの広報は以下のような声明を発表した。
「バンドは、ロイヤル・アルバート・ホールでの一連の公演をもって、ザックと袂を分かつという決断を、メンバー全員で話し合ったうえで下しました。彼に対しては敬意しかなく、これからの歩みに心からの幸運を願っています」
それに対して、スターキーも声明を発表し、解雇については、「驚いたし、悲しい」とコメントしている。
ザ・フーが行ったロイヤル・アルバート・ホールでのパフォーマンス映像はこちら。
このライブは、3月30日に開催された「ティーネイジ・キャンサー・トラスト」のチャリティイベントの一環だったが、そのステージで、ロジャー・ダルトリーが、パフォーマンス中に突然スターキーの演奏に対して不満を表明。最後の曲“The Song Is Over"を止めて、こう発言した。
「この曲を歌うにはキーが聞こえないといけないんだが、聞こえないんだ。
ドラムのドンドンって音しか聞こえない。
これじゃ歌えないんだ。悪いな、みんな」
スターキーは、自身の声明のなかでこう語っている。
「ザ・フーと共に過ごした約30年のキャリアを、とても誇りに思っています。僕の名付け親である“キース・ムーンおじさん”の後を継ぐというのは、人生最大の名誉であり、今でも僕は彼らの一番のファンです。彼らは、まるで家族のような存在でした。
今年1月、右脚のふくらはぎに血栓ができるという深刻な体調不良に見舞われましたが、今ではすっかり完治しており、ドラム演奏やランニングにも一切影響はありません。
あの曲たちを何十年も演奏してきたのに、あの夜のパフォーマンスについて何か言われるとは、正直驚いたし、悲しくもあります。でも、そういうこともあるんでしょうね。
これからは家族とゆっくり過ごす時間を取りつつ、5月にノエル・ギャラガーとのプロジェクト、Mantra of the Cosmosによる『Domino Bones』のリリースに集中し、自伝の執筆(これは完全に自分自身で書いています)を仕上げたいと思っています。
どんな仕事であれ、29年間続けられたというのは素晴らしいことです。彼らの今後の幸運を心から願っています」
なお、スターキー数日前からこの”別れ”を察していたようで、自身のインスタで皮肉たっぷりの投稿をしていた。
「今日、WHOSE HORSES NOSE内部の情報筋から聞いた話によると、TOGER DAKTREY(グループのリードシンガー兼メインソングライター)が、数週間前のアルバートホールでのパフォーマンスについて、ドラマーのZAKに不満を持っており、彼を“オーバープレイ”の罪で正式に告発しようとしているとのこと。しかも文字通りZAKにZak the drummer(=叱責する)の元に向かっていて、『THE BURWASH CARWASH SKIFFLE ’N’ TICKLE GLEE CLUB HARMONY WITHOUT EMPATHY ALLSTARS(無慈悲なハーモニーオールスター)』から控えメンバーを招集しようとしているらしい。この件は、WHOSEの長年のマネージャー、WILLYA YOUWONTYOUKNOWによって確認された」
ちなみに、ザック・スターキーは、リンゴ・スターの息子。8歳の時に、キース・ムーン本人からドラムキットを買ってもらったというエピソードもある。1996年からザ・フーのドラムを務め、2004〜2009年には、オアシスのドラマーとしても活躍した。現在は、ノエル・ギャラガーとのコラボレーションは行っているが、オアシス再結成ツアーのドラマーに抜擢される予定は今のところない。
なお、ザ・フーは今後イタリアでの公演を控えており、新たなドラマーには、ロジャー・ダルトリーのソロバンドで叩いていたスコット・デヴィーズ、またはピート・タウンゼントと共演しているサイモン・フィリップスが候補と噂されている。