CDJのライヴで「モテたいんです」と言っていたのび太。その一手として、バレンタインデーにリリースされるのがこのシングルだ。“Would You Be My Valentine?”と“I Wanna Be Your Valentine”、タイトルが対になっている2曲は、かたやサーフ・ロックなリズムとジャングリーなギターにめっぽう甘いメロディが乗るおしゃかわ系、かたやほとんどジェット“Are You Gonna Be My Girl”のパロディといってもいいロケンローと、その中身も両極端。どちらもカンのよさはピカイチの秀曲だが、彼らの王道ではない。しかも２月14日にこだわって、シングルながら2140円という価格。ライヴDVDが付くので内容的には大満足だが、それってオモチャ付きラムネみたいじゃないか？
　
昨年は彼らにとって大きな一歩を刻んだ年だった。しかし本当の飛躍はこれから。察するに、本作は今後待ち受けるさらにタフな闘いに向けたストレッチのようなものなのだろう。同時にこの企画で突っ走れてしまう今のWHITE ASHに、不敵な余裕と末恐ろしさを感じるのも、僕だけではないはずだ。（小川智宏）