WHITE ASH SPECIAL Xmas DINNER SHOW @渋谷gee-ge

WHITE ASH SPECIAL Xmas DINNER SHOW @渋谷gee-ge
12月24日、言わずもがなクリスマスイブというこの日に都内某所で、WHITE ASHによる『WHITE ASH SPECIAL Xmas DINNER SHOW』がこっそりと開催された。そう、ただのライヴではなくてディナーショー。12月11日にリリースされた2ndフルアルバム『Ciao, Fake Kings』の封入特典であるハガキの抽選に当たった超幸運な12組24名(!)のために開かれたプレミアムパーティーだ。会場に入ると、かしこまった雰囲気に思わず背筋を伸ばしてしまった。来場者に用意されたテーブルの上には自分の名前が書かれた名札、小さなキャンドル、アルバム収録曲のタイトルに引っ掛けて一輪のカサブランカ、本日のお品書きが書かれたメニュー(ディナーショーというだけあって前菜からデザートまで網羅したコース料理。しかも手を上げればいつでもスタッフがドリンクを持ってきてくれるという至れり尽くせりっぷり)。薄暗い照明、BGMにはクリスマスの名曲、ステージの横にはクリスマスツリー。席についているゲスト(オーディエンスと言うよりもこのほうがふさわしいだろう)たちは、これから何が始まるのか、そわそわしながら談笑していた。

WHITE ASH SPECIAL Xmas DINNER SHOW @渋谷gee-ge
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19時を少しまわったころ、司会の管野結衣の紹介にあわせてのび太(Vo,G)、山さん(G)、彩(Ba)、剛(Dr)が登場。4人とも黒を基調とした装いで、ちょっぴりおめかしをしているようだ。1曲目に披露されたのは普段彼らのライヴのSEに使われている“White Ash”(the pillowsのカバー)。4人が座って演奏しているのも、のび太がアコースティックギター(今回のディナーショーのために購入したのだそう)を弾いているのも新鮮だ。「こんばんは、WHITE ASHです。『WHITE ASH SPECIAL Xmas DINNER SHOW』にようこそお越しくださいました! 僕らと一緒にクリスマスイブを過ごすことを選んでくださって感謝しております」とのび太が挨拶。そして「メリークリスマス!」と乾杯。「いやー、どうしたらいいかわからないね(笑)。俺らもお客さんも初めてだから」と山さんの言葉にあったように、4人とも、慣れないアコースティックライヴとディナーショー形式に緊張しているようだ。「普段自分の気持ちをなかなか素直に伝えられていない人もいらっしゃると思うんですけど、本当に大事な人には素直に伝えたほうがいいのかなと思うんですよね」と、のび太のアコギ弾き語りからしっとり始まったのは“Would Be My Valentine? ”。彩が奏でる低音のやわらかい響きや分厚いコーラス、ピンク色の照明が夢見心地にさせてくれる。

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ゆらゆらと横に揺れながら楽しむゲストたちを眺める4人の表情がとても穏やかだ。「応募ハガキのコメントに、今日が誕生日とか結婚記念日っていう人がいたんですよ」という山さんの発言を受けてのび太が「ハッピーバースデートゥーユー♪」と即興で弾き語ったり、彩がシャンメリーを飲みながら「ちょっとアルコール入ってなかった……」と小声でアルコールを欲したり(笑)、曲と曲の間にゆったりとトークを挟みながら、ディナーショーは進んでいく。「普段自分たちの曲しかやらないけど、カヴァーをやってみようと思います。クリスマスということで、マライア・キャリー……をやるか、やらないか(笑)」(のび太)、「そこはお客さんに決めてもらいましょう(笑)」(山さん)という流れで、山さんのアルペジオから始まった“All I want For Christmas”。時間をたっぷり使って唄いあげるのび太のヴォーカルがとても贅沢だ。

WHITE ASH SPECIAL Xmas DINNER SHOW @渋谷gee-ge
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続く、3rdシングル“Would Be My Valentine? ”のカップリング“I Wanna Be Your Valentine”では、先ほどまでのゆったりした流れを、剛のドライヴするリズムと山さんのジャッキジャキのギターが打ち砕く。この曲ではアコギではなくタンバリンを叩きながら唄っていたのび太だが、それであの色気たっぷりの声だから、視覚と聴覚のギャップがものすごい(笑)。山さんが立ち上がってソロを掻き鳴らしたかと思えば、今度はのび太が立ち上がり、フロアを歩いてゲストたちと握手しながら唄い、会場のテンションはさらに上がっていく。

「シャンパンくださーい!」(彩)、「僕も!」(山さん)、「(上着)脱いでもいいですか?」(剛)と、メンバーは完全にリラックスしてきた様子。「2010年のインディーズデビュー当時からやっている、僕の好きな曲」(のび太)ということで“Hello, Afternoon”のイントロが始まると、会場からは歓喜のどよめきが。彩と剛のリズム隊ふたりが作り出す音の波がとても心地よい。「みなさんは何かしらのつながりがあって今一緒にいるんだと思います。僕たちだってそう。ここに来てくれて、今日WHITE ASHのディナーショーを選んでくださったみなさんともつながりがある、という意味を込めて……」とのび太がアコギの弾き語りで披露したのは、なんと中島みゆきのカバーで“糸”! 意外に思うかもしれないが、この曲がまた、のび太によく似合う。時おり擦れる中低音域の歌声が渋くてたまらないのだ。いやー、シビれる。「ここでやっている曲は基本的にはもう二度とないくらい、それぐらい貴重でプレミアムな夜をみなさんと過ごしているWHITE ASHです。(ディナーショーが終わった)このあとの、みなさんにとっての特別な時間のお役に立てたらと思います。最後に僕らからのクリスマスプレゼントということで、いち早くみなさんのためだけに披露したいと思います」。剛のスティックカウントから始まったのは、2ndフルアルバム『Ciao, Fake Kings』のラストに収録されている“Xmas Present For My Sweetheart”。この曲は全編日本語詞によるクリスマスのラブソング。4人だけで鳴らされると、曲の持つシンプルさがさらに際立ち、あたたかみが増しているように思えた。

WHITE ASH SPECIAL Xmas DINNER SHOW @渋谷gee-ge
「ありがとうございました、WHITE ASHでした。メリークリスマス! このあとも引き続き素敵な時間をお楽しみください!」というのび太の言葉でライヴパートは終了。かと思いきや、メンバーがステージを去ってからしばらくして、頭にトナカイをかぶった山さんが登場。「トナカイ山さんです」と自己紹介してから、「今日はみなさんのために1曲やっちゃおうかな! その前に、かんぱーい!!」と盛り上げる。中学生時代に鼻にニキビができたときに友達に「トナカイみたいだな」と言われたという、苦いトナカイエピソードを披露しつつ、「そのときこの曲を聴いて、サンタはなんていいヤツなんだと思ったんだよね。付き合っていくうえで大事なのは、相手のいいところを探すこと。みんなも相手のいいところを見つけて長く一緒にいてほしいな。そんな曲です」と、ピアノの弾き語りで「赤鼻のトナカイ」を歌ってみせる。山さんの歌声はうたのおにいさん並みのさわやかさで、ピアノはところどころミスっていたけど、それもご愛嬌。会場は息子の発表会を見守るような妙な空気と笑いに包まれた。

WHITE ASH SPECIAL Xmas DINNER SHOW @渋谷gee-ge
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そのあとは、メンバー4人がテーブルひとつひとつをまわっていき、ゲストと一緒にポラロイドを撮ったり、談笑をし、最後には12月24日・25日限定で公開されている「Xmas Present For My Sweetheart」のミュージックビデオが一足先に放映された。とても盛りだくさんな、まさにプレミアムな一夜となった。なお、本イベントの模様は、本日12月25日放送のTokyo FM『Radio Dragon』内にて一部オンエアされる予定となっているので、ぜひともチェックしてみてほしい。(蜂須賀ちなみ)
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