探検を続ける生命体

フジファブリック『VOYAGER』
フジファブリック VOYAGER
3人編成で始動したアルバム『STAR』から一年半。当初は、3人でも想像以上にフジファブリックしてる!という感想に留まっていたのだが、それから3度のツアーをはじめとしたライヴを目撃するうちに、そういう問題ではない、という気がしてきた。フジファブリックというバンドは、ファンや関わる人たち全てをひっくるめて、生き物のような存在なのだと。文学性の中に、現状や本音が垣間見える歌詞。ポップのきらめきを宿しながら、セイフティ・ゾーンからは、クレヴァーないたずらっ子のようにはみ出るアレンジ。その彼ららしさから、絶対的に揺らぐことがないまま、むくむくと進化した結果が、今作からは聞こえてくる。もちろん、山内総一郎(Vo・G)がヴォーカルを務めているからこそ生まれ得たであろう、真っ直ぐなバラード“春の雪”など、今の編成を感じさせるような瞬間も多々ある。しかし、そこに個々のエゴは見えず、あくまでフジファブリックを追求している印象なのだ。タイトルの『VOYAGER』とは、旅人、探検者という意味。とびっきりの決意表明と自己紹介になっていると思う。(高橋美穂)
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