新世界はここにある

ACIDMAN『scene of“新世界”』
2013年03月27日発売
DVD
ACIDMAN scene of“新世界”
先月出た9作目『新世界』の、ある意味メイキング作品。アルバムが生まれた背景と、そこから生まれた旅の記録である。佐藤雅俊(B)がパウロ・コエーリョの「アルケミスト」を大木伸夫(Vo・G)にあげたのが同題の曲の発端で、その小説の舞台であり人類発祥の地である土地に立ってみたいと、昨年1月に3人はケニアとタンザニアに旅立った。楽器調達もままならぬ状況でPV撮影を行なった相当に大変な旅を追ったDisc1、“アルケミスト”のPVを撮影したモロッコの模様に、レコーディング風景なども加えたDisc2の2枚組166分。ナショナル・ジオグラフィック・チャンネルとかで放送してもいいんじゃないかと思うほどの大自然の中、語る大木の言葉のリアリティ、サバンナでの動物の息づかい、サハラ砂漠やその地で生きる人たちとの触れ合いなどから、彼等がどれほど刺激を受けたか痛いほど伝わってくる。過酷な旅なのは想像に難くないが、いい感じで皆にいじられ和ませる浦山一悟(Dr)のキャラはライヴと同様に救いだ。圧倒的な自然の中で素顔を見せる、彼等の中に新世界はあると確信した。(今井智子)
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