ACIDMAN×ストレイテナー×THE BACK HORN/Zepp Tokyo

ACIDMAN×ストレイテナー×THE BACK HORN/Zepp Tokyo - All photo by AZUSA TAKADAAll photo by AZUSA TAKADA
ACIDMAN×ストレイテナー×THE BACK HORN/Zepp Tokyo
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※以下のテキストでは、演奏曲のタイトルを一部表記しています。ご了承の上、お読みください。

「『THREE for THREE』、始まりました! この3バンドの、果てしない馴れ合いへようこそ(笑)。もう……すげえ気が楽!」(ストレイテナーホリエアツシ/Vo・G・Piano)
「今日の楽屋、友達が11人集まったみたいな懐かしさと、安心感と、まったり感があります(笑)。でもどこか、それぞれの音を鳴らすギラギラ感を保ちながら、最高の夜になるような予感がしております」(THE BACK HORN・松田晋二/Dr)
「どのバンドのファンだとか、どのバンドが一番だとかもう、関係ないから。この3バンドはひとつのバンドだと思って、最後まで楽しんでいってください!」(ACIDMAN・大木伸夫/Vo・G)

結成から20年以上ともに生き抜いてきた盟友同士の信頼関係を物語るそれぞれの言葉が、そして己のすべてを懸けて臨んだ3組の至上のロックアクトが、オーディエンスの情熱を刻一刻と熱く燃え上がらせていく――。

ACIDMAN、ストレイテナー、THE BACK HORNという精鋭3組による東名阪Zeppスプリットツアー「ACIDMAN×STRAIGHTENER×THE BACK HORN Tour “THREE for THREE”」の初日会場=東京・Zepp Tokyo。
6/21(金)名古屋・Zepp Nagoya、6/28(金)大阪・Zepp Osaka Bayside公演が控えているので、以下のレポートではセットリストは割愛、一部演奏楽曲に触れるに留めさせていただくが、ステージのみならずフロアまで一丸となって、3バンドの足跡と「これから」を祝福する高揚感に満ちていたことは、何より第一にお伝えしておきたいと思う。

ACIDMAN×ストレイテナー×THE BACK HORN/Zepp Tokyo
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この日のトップバッターはストレイテナー。「3バンドのセットリストを見比べると、なんとなく同じことを考えてるなって――大木くんとマツ(松田)と見比べて照れましたけど(笑)」とホリエも話していた通り、“Melodic Storm”などデビュー初期の楽曲から最新配信シングル“スパイラル”まで、アグレッシブなロックの訴求力もメロディアス&ポップな色彩感も含め「この3組で一緒に闘ってきた20年間という時間」への想いを全開放するようなセットリストで、今回の響演に臨んでいたのが印象的だった。

ACIDMAN×ストレイテナー×THE BACK HORN/Zepp Tokyo
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「20年それぞれまったく違う道を歩んできたからこそ、今こうやってお互いにリスペクトし合えて、果てしなく馴れ合える(笑)。そんな3バンド、これからもよろしくお願いします!」……一面の拍手喝采を呼び起こしたホリエの言葉と、凛とした誇りそのもののような4人のロックアンサンブルが、満場のオーディエンスを開幕早々からレッドゾーン級の歓喜へと導いてみせた。

ACIDMAN×ストレイテナー×THE BACK HORN/Zepp Tokyo
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続いてはTHE BACK HORN。紅蓮のロックを真摯に研ぎ澄ませながら、その音に触れる者すべての魂を鼓舞し突き動かすバイタリティを体現してきた彼ら。「今日はみなさん、本当に楽しみにしてきてくれたと思うんですけど、たぶん俺たちが最高に楽しんでる! なのでみなさん、俺たち以上に楽しんで!」という松田の言葉通り、人間の闇も光も音像化したような熾烈な世界を、4人と観客が全身全霊傾けて謳歌していく。

ACIDMAN×ストレイテナー×THE BACK HORN/Zepp Tokyo
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ACIDMAN結成20周年のツーマンツアー時に自ら「THREE for THREE」を発案した、と明かしていた松田。「まだ、この話をするのは早いけど……またこの3バンドで、東京でやりたいと思います。その時まで生きててくれよ!」とまっすぐに呼びかける山田将司(Vo)。《帰る場所ならここにあるから》の「ここ」を「THREE for THREE」に変えて熱唱した“シンフォニア”。大合唱と拳がフロア一面に突き上がった“刃”……渾身の激演だった。

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ラストはACIDMAN。「同世代の僕らの仲間、ストレイテナー、THE BACK HORN。ライバルであり、友達であり、時にけなし合い(笑)、時に励まし合い、時に高め合い……気づけば20年以上やることができております。それぞれのバンドにね、それぞれのストーリーがいっぱいあって。みんなそれぞれ乗り越えてここに立ってます」……大木はそんなふうに語っていた。3ピースロックの極限のような“ある証明”のスケール感は、己の信念を胸に歩んできたこの3組の不屈の存在証明として響いていたし、最新アルバム『Λ (ラムダ)』からの“MEMORIES”は、ロックを磨き上げた果てに「その先」の希望を照らし出すようなダイナミズムを備えていた。

ACIDMAN×ストレイテナー×THE BACK HORN/Zepp Tokyo
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「昔はライバルだったし、『絶対あいつらより売れてやろうぜ』とかいう思いでやってたんだけど(笑)。もうここまで来ると、そんな思いはナンセンスなんですね。1日でも長く、各バンドが続きますように」。この日の最後に大木が語った言葉が、「THREE for THREE」へのこの上なくリアルで豊かな福音のように胸に染みた。

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同じ20年という時をともに切磋琢磨しながら過ごしてきたからこそ、互いを揺るぎなく認め合える――そんな共闘関係が最高の形で結晶した一夜だった。(高橋智樹)

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