「狂騒的」から「狂騒そのもの」へ

WHITE ASH『Crowds』
2013年08月21日発売
SINGLE
WHITE ASH Crowds
メジャー移籍第一弾シングル曲“Velocity”にも顕著だったWHITE ASHの進化ぶりがさらに露になったニュー・シングル。TVアニメ『ガッチャマン クラウズ』OP主題歌にもなっているタイトル曲“Crowds”のアグレッシヴな強度と切れ味はもちろん、ファンキーにうねるグルーヴの狭間から4人一丸となって轟々と戦慄を噴き上げる“Wake It, Make It”、目の前の風景を切り裂くようなスクエア&タイトなビートが痛快な“Queen Of Boogie-Woogie”……ミクスチャー・ロックと呼ぶにはあまりに不穏で不敵で雑多で、ビートとアンサンブルが整理つかないままに炸裂していたようなかつてのWHITE ASHはここにはいない、ということを印象づけるに十分な強度に満ちたサウンドが今作には詰まっている。何より、聴く者の焦燥感に「作用する」のではなく、焦燥感と狂騒感を自ら「描き出し」て「牽引する」ために、自らのモードとフォーマットを再編成したことを、“Crowds”はリアルに感じさせる。一転してアコギとのび太の歌が穏やかな光を放つ最後のショート・チューン“Good Day For Bye”も秀逸。(高橋智樹)
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