我らがUKの星、遂にメジャーへ!

トゥー・ドア・シネマ・クラブ『チェンジング・オブ・ザ・シーズンズ』
2013年11月20日発売
ALBUM
今号の特集で取り上げたように、サウンドもアティテュードも全くバラバラの英国バンド達が目覚ましい躍進を遂げているが、彼らへと続く道を拓いたアクトのひとつは間違いなくこのトゥー・ドア・シネマ・クラブ。本EPは、キツネの看板バンドだった彼らがなんとパーロフォンへ移籍!というニュースと共に飛び込んできた新曲“チェンジング・オブ・ザ・シーズンズ”と、その他の新曲&リミックス曲をコンパイルしたもの。“~ザ・シーズンズ”は、前のめりギターがトゥー・ドア・シネマ・クラブ・クラシックとも呼ぶべき楽曲で、プロデュースはフランス発19歳のマデオンが手がけている。昨年リリースのセカンド・アルバム『ビーコン』のLAレコーディング中に売れっ子ホープのマデオンと知り合ったことがきっかけだという。今やレディー・ガガのソングライターの一人でもある超多忙なマデオンとのコラボは「今回限り」だそうで、“~ザ・シーズンズ”そのものも『ビーコン』のセッション時にあったもののアルバムには入れられなかった楽曲。なので次作を占う楽曲とは言い難そうだが、PVのビートルズを彷彿とさせるロック・バンド狂騒への知的でキュートで洗練されたオマージュは、世界規模でアリーナ・ロック・バンドへの階段を登る準備ができたという所信表明にも思える。この秋、バンドにとって初のプロパーなUSツアーも経験したトゥー・ドア・シネマ・クラブ。アイルランド発ではあるが、少し前のコールドプレイ~スノウ・パトロールのブレイクから、アメリカでも名実共にポジションを確立しつつあるザ・XXなどに続き、来年、米で成功を収める英アクトに数えられそう。(羽鳥麻美)