3曲共にタイトルに冠された今作。イントロから4人の獰猛なエネルギーを豪快にかき混ぜるような圧倒的な100秒間(そう、この曲はたった100秒ながら完結する)を展開する“絶対的な関係”。静かな水面にピアノと声がそっと波を立てるような始まりからノイズで歪んでいく展開がダイナミックな“きっかけ”。そして歌が持つ温かさそのものを大事にカヴァーした槇原敬之の“遠く遠く”。4人が持つ音楽的な器用さと表現の成熟度がよくわかる1枚である。その反面で“絶対的な関係”でも“きっかけ”でも歌詞で描かれているのはコミュニケーションや生きることそのものへのギリギリの紙一重な感じや、どうしようもない不器用さ。この、鳴らしている音の多彩な成熟と、相反する精神的な不安定さが赤い公園の魅力だと私は思う。そしてバンドがしっかり注目されている今になって、奇を衒うこともなく、楽曲ごとにそれぞれがよりストイックに表現に向き合うことで、そうした面白い性質が一層、浮き彫りになってきている。4人の女子がバンドとしての成熟と個々の天然を思い切り融合させるような今が無敵だ。(上野三樹)