め組 配信シングル“放課後色”で見えた、超個性的ポップバンドの全貌(2)
メンバーが近くにいて「そんなんじゃダメだ」っていうのを空気で教えてくれたのが大きかった
――その出嶋さんの話が象徴的なんだけど、今までは菅原達也の「こうしたいんだ」「こういう絵を描きたいんだ」というものがとにかく大前提としてあって、そこにどれだけほかの4人が追いつけるかという勝負をしてた気がするんです。
「してました、してました」
――今回は5人で絵を描いてる感じがして。だから菅原くんも堂々と立ってるし、悪い意味じゃなくてよっかかってる、バンドに。「バンドの真ん中にいる俺」みたいなものを意識するようになったのかなあって思うんですよ。
「でも、“悪魔の証明”とかを作った時は、『みんなで絵を描こうよ』と思って作詞作曲をしてたつもりなんですよ。で、この曲に関しては『俺が前へ出るぞ』って気持ちで作ったから。確かにどっしりしたつもりで歌入れもできたし、聴いてみたらそんな感じするし、仰っている通りなんですけど、でも作ってる時は相反してるんですよね」
――「一緒に絵を描こう」と思ってやったってことは、「一緒に絵を描けるようにならなきゃいけない」って気持ちが菅原くんのなかにあったということですよね。そうではなく、今回は結果的にそうなった。それは、いつの間にかめ組が5人で絵を描ける集団になっていたっていうことじゃない?
「そうすると矛盾じゃないのか」
――うん、「変化」っていうか「成長」だよね、どっちかっていうと。
「ですね。ほかにないんですよね、これ以外に自分が中心に立ってやってるみたいな曲は。確かにそれは変化、進化ですね」
――ワンマンをやったり、ライブをやったりっていうところで得た手応えっていうのは相当あったんですか?
「僕は表現がヘタクソなんですよね。だからライブってなると、一生懸命やってるところを見せればお客さんも『お!』って思いながら聴いてくれるのかなってやりがちなんですけど、『そうじゃない』っていうのは散々言われてて。メンバーが近くにいて『そんなんじゃダメだ』っていうのを空気で教えてくれたのが大きかったのかなあとは思いました。『今日のライブ良かったね』とか、はぁはぁはぁはぁ言いながら言うと『それじゃダメだよ』って冷静に言われて。俺に引っ張られてないんですよ(笑)」
――それはすごいね。
「すごいんですよ。で、『今日のライブ、そんなに達成感ないわ』って言うと『いや、落ち着いていて良かったよ』『たぶん伝わったと思う』って言うから、これも1個の発展性というか。前にやってたさよ今(さよなら、また今度ね)でもそんなことはなかったので、そこは大きな違いだなあと思いました」
“放課後色”はストレートだと言われがちですけど、僕にとっては変化球です
――「め組をスタートしました」って時に、個性的なメンバーが集まって、それぞれ全然バックグラウンドも、音楽性も違っていて「へんてこなバンドだなあ」と思ったんですよ。実際、アルバムもいろいろ歪な部分をそのまま詰め込んだみたいなものだったし。で、それに菅原くんは「このメンバーに出会えて恵まれてる」っていう意味のバンド名を付けてやってるってことは、こういう歪ななかで菅原達也っていうソングライターが自分の個性とか表現をみんなと取っ組み合いながら形にしていくっていう、そういうものなのかなって思ってたんですよ。だから、この“放課後色”が出てきた時に「やっぱりこいつはバンドやりたかったんだな」っていうのが意外っちゃ意外だったし、新鮮だった。
「『やっぱこれ醍醐味っしょ』っていうのにはなりましたね。みんなで合わせた時は『これじゃん』って思ったし(笑)」
――この“放課後色”って曲は菅原達也的にはというか、め組的には直球なの? 変化球なの?
「ストレートだと言われがちですけど、僕にとっては変化球です。敢えてバンドサウンドをやってるっていう部分もそうだし、イントロはベースで作ったし。誰もやってないようなことやったので、変化球ぶち込んでるものだと思ってやってますけど」
――耳に残るよ、メロディも。基本的にくり返しだし。
「そういうの好きなんですよね、親しみがあって。頭悪くも見えちゃうんですけど、そっちのほうが僕は好きですね」
――そういう意味では、菅原達也の個性も出てるし、め組でしかない何かっていうのがすごくわかりやすく出た曲とも言えますよね。
「わかりやすいと思います。今回は配信限定シングルなんで『これは代表の1個ですよ』っていうのは敢えて言っておきたい」
――これがめ組のすべてを象徴してるとは思わないけど、同時に大事なターニングポイントになっていく気はしますよね。
「思ったのは、僕はポップスが大好きなんですけど、でも『ポップスを作る人って、ポップス目がけて作っているわけじゃないな』と思っていて。『えぐって、えぐって』っていう作業をして親しまれるポップスができるんだって気がしているので。“放課後色”はそれを模範にして、『ポップスってきっとこういうふうにできてるんだろうな』って研究した結果がこれですよっていうものではありますね」
――“放課後色”は、菅原くんの個人的なところから作り始めた曲なわけで、それが結果的に「これ、ポップスじゃん」って言われるとしたら、そこにはポップスの魔法もあるし、秘密もありますよね、きっと。
「たぶんあると思います。あって欲しいし、あとは『これ、私のだ』『僕のだ』になってくれればいいなと思います」
ミュージックビデオ
リリース情報
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配信限定シングル『放課後色』
発売中
特設サイト:http://me-gumi.jp/single/hokagoiro
ライブ情報
「パナフェス2016」
日程:2016年12月23日(金)
OPEN 11:00/START 12:00
会場:太陽と虎 / STAR CLUB / MERSEY BEAT / BACK BEAT
※め組の出演時間、会場は後日発表となります
チケット:各プレイガイド、パノラマパナマタウンのライブ会場物販にて発売中
公式サイト:http://www.panoramapanamatown.com/panafes2016
rockin’on presents COUNTDOWN JAPAN 16/17
日程:2016年12月28日(水)~12月31日(土)
会場:幕張メッセ国際展示場1~11ホール / イベントホール
※め組の出演は2016年12月31日(土)18:35~ MOON STAGE
公式サイト:http://countdownjapan.jp/(PC・携帯共通)
「JANUS POPS BANQUET」
日程:2017年1月25日(水)
OPEN 18:15/START 18:45
会場:心斎橋JANUS
出演:SATORI / 永原真夏+SUPER GOOD BAND / め組
チケット:発売中
「RAD CREATION presents でらロックフェスティバル2017 powered by @FM」
日程:2017年2月4日(土)~2月5日(日)
OPEN 12:00/ START 13:00
会場:DIAMOND HALL / APOLLO BASE 他名古屋栄・新栄のライブハウス10会場以上にて開催
※め組の出演日は2016年2月5日(日)となります。また出演時間・会場は後日発表となります
チケット:発売中 / 1日券 ¥4,000 / 2日通し券 ¥7,000
公式サイト:http://derarockfes.radcreation.jp
rockin’on presents JAPAN’S NEXT TURBO 2017
日程:2017年3月19日(日)
会場:豊洲PIT
OPEN12:00 /START 13:00
出演:THE ORAL CIGARETTES / KEYTALK / go!go!vanillas / SUPER BEAVER / 04 Limited Sazabys / MY FIRST STORY / め組 / ヤバイTシャツ屋さん(五十音順)
チケット:オールスタンディング 前売¥4,000(税込)
※別途ドリンク代¥500
※出演アーティスト変更にともなう払戻し不可
公式サイト:http://japansnext.jp
提供:RO ジャパン エージェンシー
企画・制作:RO69編集部