Wienners、バンドの未来をでっかく描き出す最高傑作『TREASURE』完成! メンバー全員インタビュー

Wienners、バンドの未来をでっかく描き出す最高傑作『TREASURE』完成! メンバー全員インタビュー - photo by かいphoto by かい

リミックスアルバムを出してライブをやったことで「こんなこともできるんだ」みたいなのが見えた(KOZO)

KOZO(Dr) すみません、遅れました!(電車が遅れていたKOZOが登場)

――お、間に合った! 大変でしたね。ではさっそくKOZOさん。

KOZO はい!

――『TREASURE』の手応えは?

KOZO えーと、『TREASURE』ってあとからつけた名前ですけど、本当にトレジャー感のあるアルバムになったなって。すごく賑やかな作品になったなって思います。

――前2作と比べてどうですか?

KOZO ああ……前2作と今作の間にリミックスアルバム(『Wiemixes』)が出たんですけど、あれを介してこれができた感じはします。前までは自分たちが楽器を持って演奏するっていうことを結構意識して曲を作っていたんですけど、リミックスアルバムを出してライブをやったことで「こんなこともできるんだ」みたいなのが見えた。そこからの作品って感じがするんです。前の2作に比べたらバンド感は減ったのかもしれないですけど、でもより、好きなことができるようになって、みんなの想像を超えてやろうみたいな熱意も出てきて。前の2作とはだいぶ違ったものになった気がします。

――本当そうだと思います。『TEN』の時は今の4人になってどこまでいけるのかを探していた感じがして。『BURST POP ISLAND』は逆に外向きにお客さんと一緒に楽しもうというところに向かって。今回はその両方がちゃんと入っているというか。4人で楽しんでいる感じがありつつも、それが結果的にすごくポップなものとなって出てきている。

玉屋 そうなんですよね。やっぱり自分たちが楽しんで、面白がって笑って作ったものが、イコール喜んでもらえるものなんだと思うんで。そのためにもう、音楽的なすべてのズルをしようと思ってて。打ち込みしかり「これやったらズルいよ」みたいなことを全部。あとづけですけど、元々Wiennersって「ズル勝ち」って意味なんで、そういうことをいっぱい入れて「ざまあみろ」って言いたいっていう。それは今回すごく出たなって思います。それをまずは形にしてみたっていう感じなんで、既にそれを経て次はもうどうなっちゃうんだろう?っていう感じですね。

――これがゼロ地点、スタートラインだとして、どこまでいっちゃうの?っていう。確かにこれからが楽しみになるようなエネルギーが満ちていますよね。“よろこびのうた”とかもまさにそういう曲だなと思うんです。めちゃくちゃ短い、歌詞もほとんどない曲だけど、喜びは確かに伝わってくる。

玉屋 この曲がいちばん今回のアルバムを象徴する曲だと思ってます。レコーディング中にできた曲なんですよ。レコーディング中に「このバンド最高だよね!」みたいな感じになってて、こんな最高な時に口ずさめるメロディがあったらいいよねって話をして。その場で曲を作ってすぐレコーディングしてみたいな。言葉にしたくない感情ってあるじゃないですか。最高なんだけど、なんか「ああ……!」みたいな感じっていうか。それぞれのそういう時に、家帰ってシャワー浴びて「今日一日いい日だったな」っていう時にポロッと出てくるようなメロディを作りたいなと思って。このアルバムを作っている時の俺らをそのまま曲にしたっていう感じですね。

バンド自体は10何年やってるけど、この2年でやっと気づけたことがめちゃくちゃ多かった(∴560∵)

――そして最後に“真理の風”という曲があって、急に哲学が入ってくるんですけど。

玉屋 哲学です。もうこれ仏教です。誰しも中学生ぐらいの時に「俺ってなんなんだろう」みたいなことって考えるじゃないですか。「俺って世の中に必要なんだろうか」とか。俺もずっとそれを思っていて。自分ってどんな奴なのかわからなくて、「こんな奴になりたいけど、何が足りないんだろう」って必死に考えてたんですよ。それで外に出て、ふと気づいたら風が吹いてたんですよね。パッて空見たら雲が動いてて。自分のことでこんなに悩んでいて、今目の前で起こってることすら見逃してたんだって思って。今目の前にあることを見逃してる俺に真理なんてつかめるはずねえなって。俺は何も知らない、何も感じられていなかったんだってことを知ることができた。

アサミ この曲は「難しいこと言うなあ」と思っていました(笑)。でもこの曲がアルバムの最後の曲になることによって、to be continuedな感じがすごくして。それがすごい私は気に入ってます。なんかまだWienners続くんだなっていう。何も知らないっていうところからまた何かを持ってきてくれるんじゃないかみたいなワクワクを感じられるんですよね。

――そう。だからバンドとしてもこういう状態になったっていうことだと思うんですよね。

玉屋 たぶんそういうことなんですよね。結局すべてがそういうことなんですよ。

∴560∵ うん。今日ここまで話してきたことがこの一曲に集約されているというか、Wiennersのこの2年の成り行きが結構詰まってると思う。バンド自体は10何年やってるけど、この2年でやっと気づけたことがめちゃくちゃ多かったし。

玉屋 いちばん嫌ってた、型にはまらなきゃいけないみたいなところに無意識に気持ちがいってたところがすごくあったなって、この2年ですごく思って。そうじゃなくて、はみ出してなんぼでしょって気づけた。結局音楽的に説明がつかないと、じゃあ、どこのシーンに属すんだとか、どんなフェスに出るんだとか、そんなものはもういいやっていうか。びっくりするもん作ればみんな呼んでくれるでしょみたいな。そういうふうに面白がってくれる音楽シーンだよっていうことも信じているし、リスナーもわかんないものをちゃんと面白がれる土壌があることを信じて作りましたね。

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