【インタビュー】かわいさもエモさも表現する10人組アイドル・高嶺のなでしこの魅力とは? サウンドプロデューサー・HoneyWorksとの歩み、5ヶ月連続リリースで成長する今を語る

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“アイドル衣装”を歌っているときは、少し強い自分になれる気がするし、アイドルをしている自分を誇らしく思える(葉月)

──そして、今年は9月7日に幕張イベントホールでのライブが決まっていて、そこに向けて4月から5曲を連続リリースすることが発表されて。まず最初が“メランコリックハニー”でしたね。すごくテンポのよいデートソングで、王道のアイドルソング感もありつつちょっと毒気もあり、高嶺のなでしこの魅力が存分に伝わる1曲でした。

橋本 簡単な言葉で言えばメンヘラチックな女の子が主人公で、相手の人が大好きすぎるがゆえに、《“かわいい”なんて嘘いらない》なんて言って、ちょっといじけてる、わがままなところがかわいくて。《次はいつ会えるのかな/(キライなの?)/約束で締め付けてよ/(待てない 大好きだよ)》って掛け合いの歌詞とか、音程とかリズムでも情緒不安定な感じが表されていて面白くて、聴いてて飽きない曲だと思います。

葉月 音がころころと跳ねるような感じでかわいいんですよね。メロディで急に元気になったり勝手に悲しくなったりする女の子の気持ちが表現されていて、歌い方もいろいろ変化に富んでいて楽しいです。

東山 個人的にお気に入りは《MY ダーリン♡》のところ。ライブではファンの皆さんもコールしてくださって、一緒に盛り上がれてすごく楽しいです。


──その次にリリースされたのが“アイドル衣装”でした。アイドル衣装というのはつまり、夢をいつまでも身に纏う、高嶺のなでしこの決意の歌のようにも聞こえて。

橋本 この曲は、とにかくファンの方にお届けしたいと思える歌でした。私たちが衣装に語りかけているような歌詞なんですけど、それはファンの方に伝えたい言葉にもなっているんです。《普通な私を/特別にしてくれた》というのは衣装に対しての言葉なんですけど、ファンの方への感謝の気持ちも込められていて。特に《暗い夜に震える時/絶対見上げてほしい》という歌詞がすごく好きで、聴いてくれた方が日常生活で辛いこと、寂しいことに出会ったとき、ほんの少しでも私たちが、その人の灯りになれていたら嬉しいなって。

──ライブで聴くと、さらにグッとくるでしょうね。

橋本 初披露のときには泣いている方もいて、私たちもすごくグッときました。

東山 メジャーデビュー当日のリリースイベントが大雨で、土砂降りの中パフォーマンスしたんですけど、その思い出を《雨の中でも頑張ったもんね》という歌詞にして入れてくださったことも、HoneyWorksさんの愛を感じてすごく嬉しかったです。あと、《大丈夫、一番かわいい。》という歌詞には私たち自身も勇気づけられています。HoneyWorksさんからのエールを受け取ったような気がして、あたたかい気持ちになりました。

葉月 さっきお話しした試行錯誤の時期に録った曲には、今聴くと「絶対この歌い方じゃないほうがよかったのに」と思う曲もあるんですけど、“アイドル衣装”では以前の歌い方に戻ってきた部分もあって、その歌い方はすごくいいと思っていて。歌っているときは、少し強い自分になれる気がするし、アイドルをしている自分を誇らしく思えるんです。


──そして連続リリースの3曲目として6月にリリースされた“初恋のこたえ。”は、最高にドキドキな初恋ソングになりましたね。

橋本 ありがとうございます。これは2年前に出した“初恋のひと。”のアンサーソングになっているんですけど、“初恋のひと。”が男の子目線で、今回の“初恋のこたえ。”は女の子目線で。どっちも不器用でシャイで、歌っていても「早く付き合っちゃえよ!」ってもどかしい気持ちになります(笑)。

──「この夏、好きになっちゃえばいいのに。」という、今回の5ヶ月連続リリースのテーマに、ストレートにマッチした楽曲ですよね。

葉月 私はこの曲を聴いて、学校で友達の恋バナを聞いてたときのことを思い出しました。たぶんどの世代の方が聴いても、王道の夏ソングだから、懐かしく感じてもらえると思います。

東山 振付師の方が、この曲のダンスの最初のフォーメーションと立ち位置を“初恋のひと。”とまったく同じにしてくださっていて、そういう世界観の繋げ方もすごく好きですね。最後のキメのポーズも一緒なので、そこにも注目して観てもらえたら嬉しいです。


これからもずっと「凛とした高嶺のなでしこ」という強い芯は変わらず持ち続けていたい(橋本)

──7月2日リリースの4曲目は、ドラマ『晩酌の流儀4 〜夏編〜』のエンディングテーマとなる“ライフクエスト”。

橋本 まさに明日、レコーディングなんです(取材時)。『晩酌の流儀』はNetflixで観ていたドラマでもあったので、まさか自分たちがエンディングテーマを歌えることになるなんて、嬉しかったです。『晩食の流儀』は1日の終わりの晩酌を全力で楽しむというドラマなので、この曲も「明日も頑張ろう」って勇気づけてくれる楽曲になると思います。

──葉月さんと東山さんはまだ晩酌はできない年齢ですが(笑)、“ライフクエスト”という楽曲は、すべての年代の人に寄り添う楽曲でもありますよね。

葉月 はい。私は家に帰ってママと一緒に食べるごはんの時間がすごく好きで、頑張ったお仕事のあとは、ちょっとしたおつまみみたいなものを買って、ママと食べるんです。だから、晩酌とは言わずとも、帰ってきてほっとする時間を大事にする、その気持ちはすごくわかります。辛いことがあっても、ご褒美が待ってるから今日も頑張ろうと思える歌詞に、すごく共感しますね。

東山 歌詞は日々の困難や大変なことを乗り越えていくという感じで、《ハードモード》、《レベル上げ》みたいなゲーム的なワードが入っているのも面白いです。大変なことがあって落ち込んだときも、これが人生のクエストだと思ったら頑張れる気がしますし。《幸せは小さくていい》っていう歌詞がすごく好きなんですけど、この曲を聴いて、日常生活にある小さな幸せを見つけてもらえたら嬉しいです。


──連続リリースラストの曲でどんな高嶺のなでしこを見せてくれるのか楽しみにしている人が多いと思うんですが、同時に、じりじりと幕張メッセ公演の日も近づいてきました。それこそクエストの先の到達点がそこに待っているわけですが、今どんな思いでいますか?

橋本 幕張は勝負のステージになると思っています。私たちとしては過去最大規模の会場なんですけど、正直まだ、そこに立っている自分たちの姿が想像できなくて。実際にどれくらいの人が足を運んでくれるのか不安も大きいですが、一緒にここまで歩んできてくださったファンの方たちに感謝を伝えるステージにしたいです。高嶺のなでしことしての成長をお見せできるステージだと思っているので、これからの新曲リリースも含め、高嶺のなでしこの名前は知っていてもまだ推すには至っていない人たちも惹きつけられるよう頑張っていきます。

葉月 ファンの皆さんの期待値が上がっているのもひしひしと感じていますが、私もまだ不安で。今は日々パフォーマンス力を磨いて、ライブのリハが始まったらちゃんと活かせるように、新曲の練習にも取り組んでいきます。

東山 大きなワンマンライブでは演出家の方がついてくださることが多いので、幕張のライブでしか見せられない高嶺のなでしこを見せられるようにしたいですね。そしてそれを次のステージにも繋げられればなと。

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──その先、高嶺のなでしこというグループはどういう存在になっていたいですか?

東山 個性がバラバラな10人が集まって、凛としたかっこいい楽曲もエモい楽曲も表現できるのがたかねこの強みだと思っているので、いただいた楽曲の世界観を最大限に大切に表現できるグループでいたいですね。

──高嶺のなでしこは、たとえば“可愛くてごめん”での《ざまあw》という歌詞も、痛快に、気高く表現できているのがすごく新鮮だったんですよね。ただ清楚で美しいだけのアイドルじゃないんだなと。

葉月 “可愛くてごめん”は確かに語気強めというか、攻めた歌詞だと思ったんですけど、実際に歌詞を読み込んで歌ってみたら、否定をされてきた女の子が「私は私」、「私はかわいいから」と肯定することができて、それを芯を持って表現している曲なんだって。だからこの曲もすごくたかねこらしいんだなと思いました。高嶺のなでしこはかわいいもかっこいいもエモいも、なんでも似合うグループだと思っているので、いろいろなたかねこを皆さんに感じてもらえたら嬉しいです。

橋本 たかねこはかわいい一面や明るい一面を見せたりするんですけど、私はやっぱり凛とした女性像というか、芯の強いグループでありたいなと思います。今、いろんなアイドルグループが話題になっているのを見ると、たかねこにはこんなにかわいい子たちがいて、こんなにエモい曲を歌っているんだから、私たちももっともっと上に行けるはずだよなあって、3年目にして思っていたりもして。グループとしていろんな面を持っているのも素敵なんですけど、これからもずっと「凛とした高嶺のなでしこ」という強い芯は変わらず持ち続けていたいです。

──今年はその魅力がどんどん伝わっていっているように感じます。幕張のライブ、私も楽しみにしています。

3人 ありがとうございます! 頑張ります!

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