吉井和哉 @ Zepp Tokyo

最新アルバム『VOLT』を携えて行われた全国ツアー「宇宙一周旅行」のツアー・ファイナルを7月12日に国立代々木競技場第一体育館にて終えたばかりの吉井和哉。このツアーの追加公演となるZeppツアーが本日、Zepp Tokyoよりスタートし、宇宙旅行は2周目に突入した。つい2日前の8月1日にはROCK IN JAPAN FES.2009のGRASS STAGEに3年ぶりに登場! いきなりTHE YELLOW MONKEYの名曲“楽園”で始まり、“JAM”で終わるというサービス精神旺盛すぎるセットリストでオーディエンスを圧倒してくれたので(詳しくはクイックレポをご覧ください)、本日から始まるこの追加公演が一体どんなものになるのか期待が膨らむばかりだったのだが、もうその期待を遥かに上回るド迫力のパフォーマンスを見せ付けてくれて、最初の音を聴いただけで鳥肌が立つのが分かるくらい凄まじいものだった。本当に凄い。もう凄すぎてそんな表現しかできないけど、とにかく凄いのです。まだ初日ということもあって詳しいセットリストや内容は書けないのですが、とにかく剥き出しの、生身の吉井和哉がそのまま音になってずっしりと響いてくる感じ。そして、Zeppのフロアを前から後ろまですし詰め状態で埋め尽くしたオーディエンスの熱狂ぶりも半端ない。2階席のほとんども一般客席となって総立ち状態で狂喜乱舞だ。割れんばかりの大歓声を上げてハイスピードにテンションアップしていき1曲目から大合唱が起きるというもの凄い一体感。会場がライブハウスだから距離が近いというのももちろんあるけれど、それだけでは説明のつかないバンドの推進力や今の吉井和哉の凄みが渾然一体となって生々しい音になって伝わる素晴らしいライブだった。ちなみに、このツアーではこれまで一緒に回っていたコーラスの2人を除く、吉田佳史(Dr/from TRICERATOPS)、三浦淳悟(B)、鶴谷崇(Key)、日下部正則(G)、ジュリアン・コリエル(G)と吉井和哉という編成。「『吉』がつく名前と相性がいいみたい」と吉井が最後のメンバー紹介で言っていた吉田佳史のドラムも凄まじいグルーヴを生み出していたし、バーニーとジュリアン、そして吉井のトリプル・ギターによる最強のハーモニーも最高だった。このメンバーだからこそ鳴らせる圧倒のバンド・サウンドをライブハウスという空間で浴びるように聴けるのは最高の贅沢だ。「今日はクラブなんで歌って騒いでもらいましょー!」「好きなだけ憂さを晴らしてね」と吉井も言っていたように、オープニングから騒がずにはいられないアップナンバーのオンパレード! セットリストもライブハウス仕様だ。ステージを縦横無尽に動き回った後には、悦に浸ってブルージーにギターを愛でて完全にギタリストに徹する。そして、ジャケットを脱ぎながら妖しく迫るように、ひざまづいたり、前列の客の手を触ったりしながら妖艶なボーカリストとしての吉井和哉を見せる。最後の方で「今日は色んな吉井和哉を聴いてもらいました」と言っていたのだが、ソロとしての活動スタート時から現在までの吉井和哉のすべてが凝縮されたような濃厚な時間だった。一つ言ってしまえば、今回、イエモン時代の曲は一切やっていない。つまり、今の吉井和哉にはソロ楽曲だけで勝負して完全勝利を収めることができるだけの生命力に満ち溢れているということだ。ソロ活動をスタートさせたばかりの頃はイエモン時代の楽曲を意図的に封印していたが、40歳を迎えた年の2006年からついに解禁。それからツアーの度に何曲かはイエモン時代の曲を披露していたが、ソロ楽曲だけで挑むライブは今回、久々のような気がする。というか、そんなことも気付かせないくらい、終わった後に「あ、そういえばやってないね」くらいの勢いで、もう「吉井和哉の音」がこのライブで確立されていたのだ。本当の意味での吉井和哉、完全圧勝のツアーとも言えるだろう。代々木の時も思ったことだが、ギターをかき鳴らした勢いで拳を高く突き上げて高らかと歌い上げる“ONE DAY”ではオーディエンスに漲るパワーを与えてくれたし、“Shine and Eternity”のピースフルな空間は明日への活力を注いでくれた。今、吉井和哉には途轍もない生命力と求心力が迸っているのがよく分かる。「なんか今年はいいことありそうです! 俺はもう凄いよ。とにかく凄いんだよ! 一緒に凄くなろうぜ!」と最後に叫んでいたように、一緒にその向こうへ行けるような力をオーディエンスそれぞれが受け取ることができたライブだったと思う。このZeppツアー、本当に凄いです。これから観る人は覚悟してください。そして、恒例の年末公演も今から期待して間違いないパフォーマンスを見せてくれそうな予感がしてたまらない。本当にいろんな意味で凄いです。(阿部英理子)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on