31枚目となる新作を仕上げているというザ・フォールのマーク・E・スミスは昨今の音楽界では労働者階級出身の人間が少ないことを嘆いていて、「昔は音楽をやってれば、それなりにいい目にもあえたもんだけど、今はやるだけ無駄だよ」と語っている。
今年に入ってイギリス議会のブライアント議員がジェイムス・ブラントらを挙げてカルチャーが上流に独占されていると発言して以来、音楽業界における労働者階級出身のアーティストの減少が話題になってきているが、NMEの取材を受けたマークは次のように語っている。
「そもそも俺はこういう話をもう12年も前からしてるんだよ。こういう傾向を作っちゃったのは(労働党の元首相トニー・)ブレアなんだから。あの頃から金持ち父さんはあんまり口にしなくなったんだよ、『バンドなんてものはやるんじゃないぞ』ってね。むしろ、金持ち父さんたちはU2を見て、『おまえ、バンドやれ。バンドやってお金儲けしなさい』って言い出したんだよ」
なお、今年のリリースを予定されている新作『Sublingual Tablet』についてマークは次のように語っている。
「今度のは制作にかなり時間がかかって、4か月から5か月かかったかな。でも、そういうことも相対的な問題だからね。ツアー・マネージャーたちから言わせると俺の仕事は相当に早いらしくて、というのも、連中はニュー・オーダーと仕事をしてて新作が出て次の仕事が回ってくるまで5年待たされたっていうからね。でも、今の俺には作品がいいかどうかがわかるようになってきてて、今度の作品は俺には素晴らしいんだよ」
ブライアント議員は今年に入ってから「恵まれた生い立ち」を持つ人間によってカルチャーが独占されては困ると発言し、これに対してジェイムス・ブラントはブライアントを「偏見に満ちたクソボケ」呼ばわりし、自分はそういう先入観のため音楽業界でもさんざん虐げられてきたと批判。フランク・ターナーもジェイムスに賛同し、「音楽業界はぼくが教育を受けた学校のせいでぼくのことをまんこ野郎と呼ぶような輩ばっかりだ」と語っている。なお、フランクは名門イートン校出身で、ウィリアム王子の同窓生として知られている。
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