リンキン・パークのチェスター・ベニントン、ストーン・テンプル・パイロッツから離脱


2013年よりザ・ストーン・テンプル・パイロッツのヴォーカルも務めてきたリンキン・パークのチェスター・ベニントンは、リンキン・パークでの活動に専念するためザ・ストーン・テンプル・パイロッツのヴォーカルを辞退したことを明らかにしている。

今回の脱退については全員の合意に基づくもので、あくまでも友好的な判断だとバンドもチェスターも声明で明らかにしていて、チェスターは次のように説明している。

「ここ数年間の体験は俺にとって本当にすごいものだったわけで、思春期にあまりにも影響を受けた、俺たちの世代でも最も重要なバンドのひとつと俺は活動する機会に恵まれることになったんだよ。STPともなれば、それ相応の時間を割かないとならないし、かといって俺はリンキン・パークの一員でもあって、さらに俺には家族もあるから、どれかがどうしても片手落ちになってしまうんだ。

この活動を始めた時、ロバート(・デレオ)、エリック(・クレッツ)、ディーン(・デレオ)と俺とでその先、どういう障害が待ち受けているかはよくわかってるつもりだったんだ。だけど、バンドの友人たちやファンのみんな、そしてSTPのこれまでの業績に対して正しくやっていくためには、俺が現在このバンドに費やしている時間よりももっと多くの時間を割かないと無理だという判断に至ったんだよ。それとリンキン・パークの仲間ともまともに付き合っていくために、これからはリンキン・パークの活動のみに集中して、100パーセント、リンキンに貢献したいんだ。とんでもなく光栄な経験だったし、夢がかなったようなことだったし、これからはSTPとリンキン・パークのどちらの未来についてもすごく楽しみにしてるよ」

一方、STP側も次のように表明している。

「チェスターとこれまで一緒に過ごした時間については仕事としてだけでなく、個人的な付き合いのうえでも本当に楽しませてもらったよ。ただ、残念だけど、スケジュールや時間の捻出がどうしてもうまくいかなくなっていることがはっきりしてきちゃったんだよ。

けれども、こうした状況の中にももう新しい始まりは用意されているんだ。すでに新しい楽曲もかなり書いてあって、レコーディングを済ませている音源も一部あるんだ。ここ数か月の間に、とても才能に恵まれた複数の歌い手と演奏を重ねていて、これはという人が見つかるまではこうした作業を続けていくことになるよ」

なお、ストーン・テンプル・パイロッツはオリジナル・メンバーで前ヴォーカルのスコット・ウェイランドと活動やライヴの方針について意見が対立し、スコットがソロ名義でバンドのファースト・アルバムの全曲ライヴに乗り出すとバンドは2013年にスコットの追放を明らかにし、チェスターを新ヴォーカルに迎えていた。

今回のチェスターの脱退騒ぎについては、チェスターが最近のレコーディングに参加していないことを聞きつけたスコットが音楽サイトのオルタナティヴ・ネイションにそのことを話したことから発覚し、チェスターとバンド側が急遽公式に発表するに至った。スコットは次のように語っていた。

「チェスターはもうバンドにはいないんだよ。チェスターにはほかにもライヴをやれば一晩で70万ドル(約8680万円)稼げるバンドがあるわけで、STPについてはすっかりブランドとして落ちぶれてきて、みじめだよな」