2015年12月5日、宇宙まおによる自主企画ライヴ「宇宙ツアーズvol.3 レコ発スペシャル！！ – ショートケーキとせんべい編 –」が渋谷PLUGにて行われた。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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宇宙まおの恒例自主企画ライヴ第3弾「宇宙ツアーズvol.3 レコ発スペシャル!! –ショートケーキとせんべい編-」は、その名のとおり新作ミニアルバム『７つのうた、あなたの虹になれ』を携えての、南波志帆との女子ツーマンである。宇宙遊泳のオープニング映像が映し出され、まずは先攻の南波志帆が4人編成のバンドによるパフォーマンスがスタートだ。

バンドが力強いディスコサウンドを放つオープニングは、シングル曲の“こどなの階段”。作詞・小出祐介／作曲・山口一郎というタッグによる、青く瑞々しいラヴソングだ。南波志帆は力むことなくガーリーな美声を漂わせ、同じように力みのない優雅な身振りを交えて歌う。その後も上昇線を描きながら、オーディエンスは手を大きく振って応えた。「まおちゃん、ありがとうございまーす！」と出演を喜び、自身のラジオ番組に宇宙まおを招くといった親交について語ると、「世間はクリスマス一色で。クリスマスには何の思い入れもないけど、唯一のクリスマスソングやってもいいですか？」と笑わせながら “オーロラに隠れて”を披露する。

「宇宙っぽい曲」と振り付けを交えて届けられた“胸騒ぎの惑星”の後には、既に十分ダンサブルなステージだったにも関わらず更に盛り上げることを宣言して“MUSIC”へ。クリアに伝わる歌詞の端々にまで躍動感が息づくナンバーだ。そしてストリングス風シンセが感情表現を膨らませる“乙女失格。”ののち、最後には彼女が上京したときの思いを込めて、と“カノープス”を歌う。少女らしい儚さと危うさを感じさせていた南波志帆の歌声が、強く輝く意志をほとばらせる、美しいクライマックスであった。

そして後攻は、「宇宙ツアーズ」ツアーコンシェルジュこと宇宙まおだ。はち切れんばかりの笑顔で姿を見せると、この編成では初ライヴとなる沼能友樹（G）、柳野裕孝（B）、比田井修（Dr）と共に“ハロー、グッドミュージック”を繰り出す。舞い上がるようなロックアンサンブルと熱いコーラスワークが、すぐ傍に音楽があることの喜びを伝える。続く“つま先”では、《トトトトトン》の小気味良いフレーズを、柳野のベースが追い立てるような一幕もすこぶるカッコよかった。

あらためて南波志帆に感謝の思いを伝えると、ステップに乗り上がってオーディエンスの顔を見渡す。タンバリンを振るいながらの“自転車”では爆音アウトロの中でメンバーを紹介し、恋のウキウキ感も悶々とするような思いも鷲掴みにするメロディ“あの子がすき”でコール＆レスポンスを巻き起こしてしまう。水戸ホーリーホック応援ソング“無限の力”では、宙に「∞」の記号を描くような振りをレクチャーしつつ、雄々しいチャントの如き歌声を誘うのだった。

「すごい盛り上がってくれてありがとう！」と喜びを露わにすると、ここで年明け2月にスケジュールされた初の東名阪ワンマンツアー「会いにゆく」開催を告知して喝采を浴びる。曲を届けに行き、出会った人にまたエネルギーを貰う、という新しい制作スタイルについて語り、ワンマンツアーはその集大成になることを告げると、アコギを抱えて放つ “夢みる二人”では、南波志帆をショートケーキに、宇宙まお自身をせんべいになぞらえたという今回の公演タイトルに因んだコールで賑々しく盛り上がる。辿り着いた本編ラストは“おいしいごはん”。日常の中のかけがえのない時間を、染み渡らせるようなロック残響と共に伝えるパフォーマンスが素晴らしかった。より人懐っこくなって届けられる今の宇宙まおのメロディは、彼女が経験した出会いによって育まれたものなのだ。

さて、アンコールに応えると、友人に作って貰ったというカラフルなギターストラップを紹介した後、ゲストをあらためてステージに呼び込む。「初めて宇宙に来れて嬉しいですー。かわいいねえ」と告げる南波志帆に対し、「よく女の子同士で、かわいいって言うじゃないですか。あれが言えなくて。でも、私の中の少女性みたいなものが、全身全霊で志帆ちゃんになりたがってる！」と伝えて、南波志帆からのリクエストという“CONTRAST!”をスイッチングヴォーカル＋振り付けで披露。恒例“宇宙で逢いましょう～宇宙ツアーズのテーマ～”では、南波志帆がトナカイの角付きカチューシャを、宇宙まおがサンタ帽を被り、クリスマスプレゼントとして直筆メッセージ付きのお菓子が配られるのだった。

そして、南波志帆とバンドメンバーを見送ると、再会の思いを込めたソロ弾き語り“百年の夢”でフィナーレへ。熱く、華やかな、そしてしなやかな意志に導かれた一夜であった。なお、宇宙まおは12月17日、ハルカトミユキを迎えた「宇宙ツアーズvol.4 –遂に海を渡りました編-」＠高松SPEAK LOWを引き続き開催予定。12月31には「COWNTDOWN JAPAN 15/16」のMOON STAGEにも登場予定なので、こちらも楽しみにしていて欲しい。（小池宏和）

●セットリスト

・南波志帆
SE Can't take my eyes off you
01. こどなの階段
02. 少女、ふたたび
03. オーロラに隠れて
04. 胸騒ぎの惑星
05. MUSIC
06. 「ありゃりゃ？」
07. 乙女失格。
08. カノープス

・宇宙まお
01. ハロー、グッドミュージック
02. つま先
03. 自転車
04. あの子がすき
05. 無限の力
06. 夢みる二人
07. おいしいごはん
（encore）
08. CONTRAST! (w/ 南波志帆)
09. 宇宙で逢いましょう～宇宙ツアーズのテーマ～（w/ 南波志帆）
10. 百年の夢 （弾き語り）

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