2016年2月13日、Crossfaithによる全国ツアー「XENO WORLD TOUR 2016 : JAPAN」の最終公演が豊洲PITにて行われた。RO69では、この模様をロングレポートにてお届けする。

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9mm Parabellum Bullet（仙台）、MAN WITH A MISSION（広島）、BRAHMAN（名古屋）など、毎回異なるゲストとの2マン形式で全国をまわったCrossfaithの「XENO WORLD TOUR 2016 : JAPAN」。13日、豊洲PITでの日本ラウンド・ファイナルは、対バンにthe HIATUSを迎え、両バンドともに圧倒的な演奏力と、他に類のないアグレッシブな音楽へのアティチュードで、会場を興奮の坩堝へ叩き込んだ。Koie(Vo)は、事前のコメントで「いまCrossfaithが戦ってみたい〈ライブしてみたい〉アーティストばかりを選んでみました」とその趣旨を明かしていたが、確かにこの日は開演前から異種格闘技戦のような、一切の予定調和を許さない危険な匂いが漂い、どんな音が鳴らされるのかというオーディエンスの期待感が、会場に充満していた。

先攻で登場したのはthe HIATUS。爆音でかき鳴らされたカオティックな不協和音の中、細美武士（Vo・G）が美しいメロディを紡いでいく“The Ivy”。そして、masasucks（G）の轟かしいギターリフに導かれ徐々にスピードアップする“The Flare”へと繋ぐオープニング。天地創造の瞬間に立ち会うかのような、壮大なスケールは圧倒的だ。さらに“Monkeys”“Storm Racers”の連打によるアグレッシブな疾走感には、フロアも即座に反応し、高らかなシンガロングが起こり、数知れぬクラウドサーフが続出。“Thirst”と“Unhurt”では、伊澤一葉（Key）、ウエノコウジ（B）、柏倉隆史（Dr）によりエレクトロなダンスビートが、ダイナミックなサウンドスケープを生み出していった。

「今まで、繋がりのなかったバンドに呼んでもらって、めちゃくちゃうれしい。すごく楽しみにしていました」と告げる細美。「もちろんミュージシャン同士、こっちも向こうもツンツンしてるヤツばっかりで、必ず仲良くしなきゃいけないわけじゃないけど、今日がきっかけで仲良くなれればね」と続け、対バンの快い緊張感を楽しんでいるようだ。“Lone Train Running”に始まる終盤戦は、充填したエネルギーを一気に放出する開放感と高揚感がフロアを満たす。“Insomnia”のサビでは大合唱が巻き起こり、“紺碧の夜に”“Silver Birch”が描き出すクライマックスでは、ハンドクラップの波が会場を埋め尽くした。研ぎ澄まされた演奏で、真摯に至上の音風景を追求するthe HIATUS。彼らが導いたその風景は、どこまでもエモーショナルで、瑞々しい躍動感に満ちていた。

セットチェンジを経て、後攻のCrossfaithへ。アルバム『XENO』のプロローグ曲“System X”をSEに登場した彼らは、Koieの壮絶なシャウトとともに、間髪入れず“Xeno”を投下。“Raise Your Voice”“Ghost In The Mirror”と新曲をたたみかけ、超ヘヴィなメタルコアの獰猛さを遺憾なく発揮する。曲中のブレイクダウンと、メロディックな叙情性が行き来するアレンジは、SF的といえる彼らのドラマ性をダイナミックに引き出した。“Eclipse”“Dystopiaと続く中盤では、Crossfaithのパーティサイドが全開に。Teru（Program／Vision）が躍動し、ダブステップやEDM、ラガマフィンなど、エレクトロビートの扇情的な高揚感で、アグレッションの限りを尽くす。“Wildfire ”では、『XENO』にゲスト参加のベンジー・ウェッブ(Vo／from Skindred)がイギリスからサプライズで登場し、Koieとのツインボーカルで、ツアーファイナルらしい華やかな共演を飾る。“Paint It Black”で、Teruはフロアに果敢にダイブを決め、“Photosphere”“Scarlett”では、7色のレーザー光線が乱舞。フロアはヘッドバンギング、サークルモッシュの騒乱状態へ。

「いろんな人やバンドがオレたちに力を貸してくれて、ここまでくることができました。the HIATUSに大きな拍手を！」と叫ぶKoie。「バンドを始めて10年。続けてこれたのは、ここにいる全員のおかげ。久しぶりの日本で、手書きのフラッグをもらうと、帰ってきてよかったと思います。一生ついてきてくれよ！」と、メッセージがぎっしり詰まったファンからのフラッグを掲げた。Tatsu（Dr）が、この日の最速ツーバスを連打した“Mirror”からの終盤戦は壮絶の一言。Crossfaith最新型を宣言する“Devil’s Party”、そしてフロアにウォール・オブ・デスを求める“Countdown To Hell”へ。そして、代表曲“Monolith”で見事に大団円を飾った。

the HIATUSとCrossfaith。両者が高らかに轟かせたサウンドは、タイプの違いこそあれ、桁外れのダイナミックさとドラマティックさ、未踏の地平を追求し続ける意志、そして何より、聴く者の琴線をかき乱す熱い闘志によって、固く結びついていると感じた。Crossfaithはこれから、世界約80の国と地域を巡る同ツアーのヨーロッパラウンドへ旅立っていく。（岸田智）

●セットリスト

the HIATUS

01．The Ivy
02．The Flare
03．Monkeys
04．Storm Racers
05．Thirst
06．Unhurt
07．Lone Train Running
08．Insomnia
09．紺碧の夜に
10．Silver Birch

Crossfaith

01.　System X
02.　Xeno
03.　Raise Your Voice
04.　Ghost In The Mirror
05.　Eclipse
06.　Dystopia
07.　Wildfire (feat Benji Webbe from Skindred)
08.　Paint It Black
09.　Photosphere
10.　Scarlett
11.　Mirror
12.　Devil's Party
13. Countdown To Hell
（encore）
DJ & Drum Solo
14.　Omen
15.　Monolith

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