日本では国内のプレス業者だけでは生産が追いつかない状況になっており、今回の自社プレス工場開設に踏み切ったという。ヨーロッパでもアナログ盤売上が好調ヨーロッパでもアナログ盤の生産が追いつかない状況が起こっている。メジャーとインディ合わせてヨーロッパでのアナログ盤はすべてチェコ共和国かオランダにあるプレス工場の2か所ですべて生産されていおり、1日10万枚以上のプレスを行っても世界中からの注文に対応しきれていないという。オランダのプレス工場であるレコード・インダストリー社のオーナーTon Vermeulenは「状況はよすぎるくらいだよ」と「ザ・ガーディアン」紙の取材に応えていて、「需要はものすごく高いし、お断りしなければならない注文もあって、ぼくとしてはそれがものすごく不本意なんだけどね」と説明している。今現在のアナログ盤人気にはふたつの傾向がある。
アナログ盤を聴いて育った中高年のリスナーが今もアナログ盤にこだわり続けていることがひとつの要因であり、デジタル音源で育った世代のリスナーが音源を形として手元に揃えたがっており、CDが衰退しつつある今、新しい選択としてアナログを好んでいることがもうひとつの要因だという。その一方で、イギリスやヨーロッパでは毎年4月に行われるレコード・ストア・デイに限定アナログ盤のリリースが多数企画されることもアナログ盤人気に拍車をかけていて、イギリスではアナログ盤のセールスが2016年には320万枚を記録し、前年比53パーセント増を記録したという。
音楽業界アナリストのマーク・マリガンは現在アナログ盤の製造が追いつかないため、実際に操業しているプレス工場はレーベルに対して高い料金を請求できる状況であり、そうした事情から自社プレスを再開するレーベルが将来的に増加することも大いに考えられるという。なお、オランダのレコード・インダストリー社のプレス工場はもともとソニーのプレス工場であり、1998年にDJだったTon Vermeulenがダンス・ミュージックのレコードをプレスするために買い取ったものだ。
7年前には経営的な危機も迎えたが、今年は年間プレス数が1100万枚を突破する見込みで2014年の倍の枚数を記録しているという。また、60パーセントが旧作品のリイシューであるのに対して、ジャミロクワイ、レディー・ガガ、ベス・ディットーらの新作もVermeulenの工場でプレスされたという。