これまでに多くのアーティストが一風変わった「ウソ」をつき、ファンたちを驚かせてきた。本記事では、アーティストたちがエイプリルフールについてきた「ウソ」の中から印象的なものを5つ紹介する。
●デヴィッド・ボウイ、「架空の画家」のために打ち上げパーティーを開催!?
デヴィッド・ボウイは、1998年にイギリスの小説家/脚本家であるウィリアム・ボイドと協力した大掛かりな「ウソ」で多くの人を混乱させた。
「BBC Music」の記事によれば、1998年にボイドはアメリカの抽象表現主義画家「ナット・テイト」の伝記『Nat Tate: An American Artist 1928–1960』を出版。ボウイは伝記の言葉を引用するなど、ナットという画家の存在を多くの人に伝えるのに協力したという。
そして、ボウイは同年のエイプリルフールにこの本の打ち上げパーティーをマンハッタンにて開催。パーティーには小説家のゴア・ヴィダルや美術史家のジョン・リチャードソンらが参加し、ナットについての冗談を言い合ったのだとか。
しかし、ナット・テイトはウィリアム・ボイドと協力し作り上げられた架空の人物だったのだ。この「ウソ」には、読者を含め多くのメディアが驚いたという。当初、この伝記自体がフィクションであることが伏せられていたこと、著名な人物たちがボイドとボウイと協力したことなどが、一連の騒動が大きくなった原因だろう。
●ナイン・インチ・ネイルズ、豪華ミュージシャンが参加した新アルバムをリリース!?
ナイン・インチ・ネイルズは2009年のエイプリルフールに『Strobe Light』と題したニュー・アルバムを突如発表した。
同作はゲスト・ミュージシャンとしてコールド・プレイのクリス・マーティン、ジェイ・Z、U2のボノ、シェリル・クロウ、ジャスティン・ティンバーレイク、アリシア・キーズなどが参加。バンドの公式サイトにはダウンロード方法・価格などが詳細に記されていたという。
しかし、このアルバムにおけるすべてが「ウソ」。翌4月2日に該当ページは削除された。
●コールドプレイ、無重力でレコーディング!?
コールドプレイは2009年に無重力空間でのレコーディングを行うことを公式サイトにて発表した。
公式サイトによれば、バンドは20~25秒の間、無重力状態を作り出せる大型旅客機ボーイング727を使用し、ロシアの宇宙飛行士の宇宙服をベースにした衣装を着てレコーディングを行うつもりだったという。
また、レコーディングにはプロデューサーであるブライアン・イーノも参加。バンドのフロントマン、クリス・マーティンは「僕たちは何年もの間、スネアドラムを録音するのに適した環境を探していたんだ」とコメントしていた。
コールドプレイらしい「ウソ」だが、いつか彼らなら実現させてしまうかもしれない。
●ビョーク、レッド・ツェッペリンの新ボーカリストに!?
ビョークもエイプリルフールに「ウソ」をついたことがあるが、その内容は「レッド・ツェッペリンの新ボーカリストを務める」という驚くべきものだった。
「SPIN」の当時の記事によれば、2009年4月1日にビョークはロバート・プラントに代わってレッド・ツェッペリンのワールド・ツアーに参加すると、自身の公式サイトにて発表したという。
また、ビョークは同ツアーでバンドのスタジオ・アルバムの中でも『レッド・ツェッペリン I』と『レッド・ツェッペリン IV』に収録された楽曲しか歌わないという制約も設けていたのだとか。
●ケイティ・ペリー、新作のジャケットは若かりし頃の自分?
ケイティ・ペリーは、昨年のエイプリルフールに4thアルバムの「ジャケット写真」を自身のInstagramにて公開。
「4thアルバムのカバーを発表できて嬉しく思うわ」というコメントとともに公開された画像には、スポーツブラを着けてボサボサの髪のままカメラを見て微笑むケイティの姿が。
しかし、コメントの下にはしっかりと「Happy April Fools!」の言葉が確認でき、これがケイティのチャーミングな「ウソ」であることがわかる。