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ソロデビュー5周年を記念して2作のシングルがフィジカルで同時リリース。あらためて“冬の花”を表題に据えた記念すべき1枚と、そしてもう1枚が『news23』のエンディング曲“close your eyes”を表題に、新曲をカップリングした今作。人生の悲喜交々を静かに照らすような“close your eyes”も沁みるが、カップリングの“哀愁につつまれて”がとても深く心に響く。今日まで音楽とともに生きてきた宮本浩次が、今その道のりを振り返りながら綴る哀歌とも讃歌とも受け取れる本質的な「人生歌」だ。純粋に歌に向き合ってきたからこその現在地。そこでしか響かせることができない歌である。《もう一度会いたい もう一度抱きしめたい》と願う《お前》とは、過ぎ去った青春の景色、そこで出会った詩(うた)だと受け取れるが、その詩に今同じ思いで触れることは叶わぬことと嘆く。しかしその「哀愁」は逆説的に「今」の宮本の感性でしか描けぬものであり、それはこの先にも続いていく多くの人の人生を照らす歌でもある。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年1月号より)
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