CMソング“ハナウタ”は小林武史がプロデュースを手がけており、詩人・小説家の最果タヒが作詞を担当した。[ALEXANDROS]の楽曲に、最果タヒの作詞という今回の初の試みとなるコラボレーション楽曲は、川上洋平(Vo.&Gt.)が、通学通勤のメトロの中で、ハナウタを歌うことをイメージして作った楽曲だという。なお“ハナウタ”は、5月23日(水)発売のシングルに収録されるとのこと。
今回のCMの舞台は浅草。街で出会った人や、お店の店員さんからおすすめされたスポットを石原さとみが巡っていくストーリーになっている。石原さとみが浅草を歩いていると、[ALEXANDROS]のメンバーに遭遇。4人は石原に向かって「これ行った?」とジェスチャー付きで問いかけ、瓦割り体験を勧める。その後、金魚すくいにチャレンジしたり、うさぎの飴を作ってみたりと、さまざまな浅草での体験で構成されている。
さらに今回、浅草に拠点をおく漫才協会の理事を務めている「青空球児・好児」も浅草を愛する街の人として、CMに特別出演し、瓦割りを披露している。
新CMは、本日から特設WEBサイトにて先行公開され、4月1日(日)より全国にてTVCM、メトロ駅構内・車内ディスプレイにて順次公開される。
【[ALEXANDROS]川上洋平(Vo.&Gt.) コメント】
私は曲を作る時に電車に乗る人の事を考える事が結構多いのですが、
それはかつて通勤、通学中に「今ここで歌えたらなぁ」とよく思っていたからだと思います。
電車内はちょっとおとなしくしないといけませんが、
心だけは自由にあって欲しいという思いから今回の楽曲はスタートしました。
なのでサビは小さな声でも口ずさめるようにこしらえました。心の中でそっと口ずさんでみてください。
小林武史さんの柔らかくも激しいアレンジ、最果タヒさんのヒリヒリとしつつ包み込むような歌詞が入った事
で立体的な歌になったと思います。
ぜひメトロに乗りながら楽しんでください。
【最果タヒ コメント】
簡単に「つながっている」だなんて言わないで。どこにだって言葉が届く時代だとしても、誰とだって知り合える時代だとしても、言わないで、と願ってしまう。語り合っても触れ合っても、どうしようもなくひとりぼっちの部分が私の中にはあって。それが、私という人間を形作っているのだと知っている。さみしさがすべて離散したら、私は幸せになるんだろうか。ただ雨粒のように世界に降り注がれて、蒸発していくだけじゃないのか。親しい人を作っていくことばかりが、世界との関わり方だとは思えず、私は時々、ひとりで街に出る。見つめ合うことのない人と、すれ違って、すれ違って。だれとも関係を構築しないまま、1日を過ごす。
街と私を結ぶのは、きっと線路のようなものだと思います。人と人の関係のように、赤い糸で直接つなぐことはない。街は、私が訪れることを期待していないし、拒んでもいないけれど、それでも定期的にメトロがやってきて扉を開いてくれるのだ。たとえ、誰とも待ち合わせをしていなくても。たとえ、1日をひとりのままで終えるつもりだとしても。昼下がりの地下鉄に乗り、ひとり、前を見つめるあの時間。今回のお話をいただいて、まずその時間のことを思い返した。川上さんから、この曲は小さな声で口ずさめるように作った、という話を聞いて、小林さんから、日常に潜む非日常、という言葉を聞いて、地下鉄でひとり呼吸をする自分自身を思い出していた。ひとりだけれど、何もかもが停止しているわけじゃないんだと、車窓に映る自分を見ると信じられた。そのことを、忘れることはできなかった、ずっと、書くあいだ。
この曲に関わることができて、本当に嬉しいです。メトロで、ぜひ、聴いてみてください。
【小林武史 コメント】
ニューヨークの小さなスタジオで顔合わせがあってから新宿のスタジオで
ミックスが終わるまで、いろんな場所を経ながら、歌詞を書いてくれた
最果さんとも関わりながら、移動しながら変化していってできた楽曲です。
勢いもあるけど瑞々しく、柔軟さを持っている[ALEXANDROS]だからこそ
起こせた出会いや化学反応だったと思います。
日常に潜む非日常というか、ちょっとしたサスペンスを持った気持ち良さと
美意識が交錯するような出来栄えになりました。
この出来上がりは本当にメトロに乗るときに聴いて欲しいです。