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    【速報】ずっと真夜中でいいのに。の「夏休みLIVE 〜水飲み場にて笑みの契約〜」を観て

    【速報】ずっと真夜中でいいのに。の「夏休みLIVE 〜水飲み場にて笑みの契約〜」を観て
    小山宙哉のコミック『宇宙兄弟』で宇宙飛行士が一人漂いながら発する「We are lonely, but not alone.(我々は孤独だが、一人ではない)」というセリフがある。
    そして同コミックの編集者でもある佐渡島康平氏は、このセリフをタイトルにした著書を発表していて、それはネット空間におけるコミュニティが人々の不安を取り除く仕組みについて書かれた本。
    この本はたくさんの人にオススメしたいのだが、ここで書きたいのはネット論でも宇宙論でもなくて、今日Zepp DiverCityで観た、ずっと真夜中でいいのに。のライブ「夏休みLIVE 〜水飲み場にて笑みの契約〜」についてだ。

    まさに、ずっと真夜中でいいのに。のライブを観たり、その楽曲やMVに触れたりするたびに「We are lonely, but not alone.(我々は孤独だが、一人ではない)」を実感するし、今日のライブはその「lonely」も際立っていたし、それ以上に「not alone」が巨大な破壊力を持つものになっていた。
    囁くような地声が決して搔き消えることなく小さいことによって確かな意味と存在感を持って心の「個」のスペースに届いてくるのはビリー・アイリッシュに似ている。
    不可思議なリズムと共にお客さんも一緒にしゃもじを叩いたり、お面を振ったりして迷い込む異空間は、まるで宮崎駿アニメのよう。
    そして歌も演奏も光の演出も翔ぶ時は誰も届かないくらい高く翔ぶ。
    彼女のライブを観るのはこれが3度目だが、その飛翔力が限界知らずだということが良くわかった。
    それらが総合的に表現されるスペクタクルな時間によって、僕らは孤独の楽しいところをたっぷり味わって、一人ではないということを強烈に実感できるのだ。

    ライブの最後にはファーストフルアルバム『潜潜話』が10月30日にリリースされることも発表された。
    ずっと真夜中でいいのに。という今の時代を映す鏡の音楽に多くの人が気付くのはもう目の前だ。(古河晋)
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