90年代や00年代初期とは違って、僕らがショウをやって速弾きをやると、会場中が沸くんだ。だから『Van Weezer』みたいなレコードを出すなら今だって感じている。
忠実なファンは別にして、普通のリスナーを引かせてしまいそうな邪悪ムード漂うジャケの『ブラック・アルバム』だったが、中身はいつものウィーザーならではのキャッチーなメロディとフックが満載で文句なし。しかもカバーで驚かせつつ、がっちり新規のファンも獲得、と大ヒットした『ティール・アルバム』の後にどんなものがくるのかと注目していたところに届けられたのが、16年の『ホワイト・アルバム』時から、次は〈ブラック・アルバム〉と宣言されていただけに、どんなに挑戦的なものが、と思ったりもしたが“ゾンビー・バスターズ”を筆頭に、相変わらず本質的にはパワー・ポップ度の高い楽曲が並んでいた。
しかし丹念に聴いていくと、やはりリヴァース・クオモがいつものギターではなく、ピアノ・メインで曲作りをしたり、ラップ風を交えたり、あえてラフな構造で迫るかなたに新コンビとも言うべきデイヴィッド・シーテック(ティービー・オン・ザ・レディオ)の姿が浮かび上がりと、さすがとしか言いようのない捻り具合で一筋縄ではいかない。当然だろ!?とのリヴァースの鼻息が伝わってくるインタビューとなった。(大鷹俊一)
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