Superflyの音楽が『スカーレット』『プロメア』などの優れた物語に息吹を与えるのはなぜか?

  • Superflyの音楽が『スカーレット』『プロメア』などの優れた物語に息吹を与えるのはなぜか? - 『0』

    『0』

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越智志帆の歌を耳にしない日が果たしてどれくらいあるのだろう?というくらいに、今や日本屈指のポップスタンダード的な存在となったSuperfly。
1月15日にリリースされたSuperflyの6枚目のオリジナルアルバム『0(ゼロ)』も、NHK連続テレビ小説『スカーレット』の主題歌“フレア”、CMソングとしてもお馴染みの“ハッピーデイ”をはじめ、収録曲11曲のうち実に9曲をドラマ/映画/CMなどのタイアップ曲が占めており、Superflyの音楽の訴求力を改めて証明する1枚であることは間違いない。


だが、今作における楽曲の多彩さと包容力は、これまでの作品とは何かが明確に異なる。そして、それはまさに、越智志帆が今作を『0』と名付けた理由と密接に関わっている。

6作目にして初めて、越智志帆が詞曲の大半を手掛けた今作『0』。ベーシックアレンジも彼女自身が作り上げた“覚醒”(アニメーション映画『プロメア』主題歌)では、プログレ的な謎めいた展開越しに未知のスリルを描き出しているし、TBS系ドラマ『わたし、定時で帰ります。』主題歌“Ambitious”では《今はきらい oh yeah/でも私は生きている》という等身大のフレーズを、ストリングスの壮麗な響きとともに伸びやかに歌い上げてみせる。さらに、「第85回NHK 全国学校音楽コンクール『Nコン』」中学校の部の課題曲として書き下ろした“Gifts”では、《あぁ 父が 母が そばに いるから/あなたに誇れる愛はある 照らしてみせてよ》という虚飾なき言葉と聖歌の如きメロディを紡いでいる。
それはあたかも「アーティスト・越智志帆」が、「シンガー・越智志帆」の圧倒的な歌の表現力とポテンシャルを全力で試し楽しんでいるかのようでもある。

それこそ“Force”や“How Do I Survive?”などに象徴される通り、聴く者を瞬時に魅了する彼女のシングル曲は同時に、タイアップの枠組みをも超えて、己の歌で時代とシーンに闘いを挑むようなロックなマインドに裏打ちされたものでもあった。
しかし、今作『0』での彼女は、その歌を必要としている物語や状況に、何より聴いてくれる人に、ノーガードで寄り添おうとしているし、そのアティテュードそのものが彼女の歌にさらなる豊潤な浸透力を与えている。「私」という絶対軸へのこだわりから彼女自身を解き放ったことで、Superflyのポップの地平線は無限に広がったのである。

《あぁ 今が 過去が 未来が あるから/明日があるから/きらめく 下弦のあの月を見て/願いを込めて歌うよ/あなたがあなたでありますように》(“Gifts”)

ライブ活動休止期間を経て、ゼロの境地から無限大の景色を獲得したSuperfly。その「新章」は、まだ始まったばかりだ。(高橋智樹)

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