俺の友人は“マイネ・ルクス”を聴いて〈ミスフィッツが書いたヴァン・ヘイレンの曲って感じ〉と形容したよ。そんなトチ狂った組み合わせ、聴いたことないだろ?(笑)
何がメインで何がそうじゃないかという区別をすることなく、ふたつ以上のホームグラウンドを持つということ。かつてそれは忠誠心に欠ける行為として見做されがちだったが、今やそれ自体、まったくめずらしいことではない。
スリップノット、ストーン・サワーというふたつのバンドのフロントマンを務めているコリィ・テイラーは、今世紀を代表するロック・ボーカリストのひとりであると同時に、作家、俳優としての顔も持ち、映画やコミック・ブックの領域でも活躍してきたが、今回、ついにソロ名義でのデビュー・アルバムを発表した。題して『CMFT』。
チャンピオン・ベルトがあしらわれたアートワークゆえにプロレス団体の名前のようにも見えるが、この4文字が示すのは〈コリー・“マザーファッキン”・テイラー〉であり、これは彼のハイスクール時代からのニックネームでもあるのだという。
そしてステイ・ホーム推奨モードが続く真夏のある日、彼とのリモート取材が実現に至った。画面を通じて目にすることのできる彼は、明らかに上機嫌な様子。このアルバムの出来栄えに心底満足していることが、無言のままでも伝わってくるほどだ。(増田勇一)
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