フィオナ・アップルが、2020年6月にリリースされたボブ・ディランのアルバム『Rough and Rowdy Ways』の楽曲“Murder Most Foul”でピアノを弾くに至った経緯を説明していることがわかった。
「Pitchfork」のインタビューで、フィオナは共通の知人を通して、ボブのアルバムにピアノで参加してほしいと依頼を受けたことを明かしている。
「2月に、(親友の)ゼルダ・ハルマンとのんびりしていて、ディナーでも食べようかとしてた時にスマホを見たら、ブレイク・ミルズ(長年のコラボレーター)からテキストが来ていた。何ヶ月もブレイクとは連絡をとってなかったんだけど、『取り組んでることがあって、その件については誰にも話せないんだけど、君に来て仕事をしてほしいんだ』って言われたの。だけど私は、『無理だわ。忙しいの』と答えると、彼から『電話もしてもいい?』と返事が来て、電話がかかってきた。
そしたら彼が、『実はその話って、ボブ・ディランの作品なんだ。ボブが君に、こっちに来てレコーディングできるか聞いててさ』って言うから、私が『いつ?』って訊いたら『今だ』って言われたの。それで私が『ファック』って大きな声で答えたから、電話の向こうにいた他の人が笑ってるのが聞こえたわ」
こうして、ブレイクを介してボブからニュー・アルバムへの参加を依頼されたフィオナは、その仕事に自分は相応しくないと感じて戸惑ったと続けている。
「信じられなかったわ。ボブとは何年も前に会ったことがあったけど、なぜ私がレコーディングに参加しているのか本当にわからなかった。私は7時間ほどスタジオにいて、ボブに本当に自信がないと伝えたら、彼はすごく励ましてくれて優しかった。『完璧でなくていい、君らしくいてくれたらいいんだ』と言われたの。私のアルバムが出る前に、ボブ・ディランにそう言われたことは大きなことだった。だって彼は、子どもの頃の私にとって大きな存在で、いま生きていて会える一人なんだもの」
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