ブラー、壮大にグラストンベリー09を締め括る

BLUR / PYRAMID STAGE

09年のグラストンベリーの締めを担当したのはグレアム・コクソンも復帰した新生復活ブラー。セットのトップとして切り出したのはなんとバンドにとって最初のシングルとなった“シーズ・ソー・ハイ”で、その後ボーカルのデーモン・アルバーンはひとまずオーディエンスに挨拶を伝えた。

「いやー、すごい人だなあ!」と見渡しながら、おそらく今回のグラストンベリーで一番の入りじゃないのかなと話しながら“ガールズ・アンド・ボーイズ”へ。

次の“ゼアズ・ノー・アザー・ウェイ”に入る前にデーモンはこうオーディエンスに語った。

「昨日のすごい早朝から来てるんだけど、なんかものすごいポジティブな雰囲気がたちこめてるよね」。それから思わせぶりなコメントもこう付け加えた。「なにか別なものについてはそうあってほしいんだな。このままポジティブでいこうってね」

ライブそのものの構成は、ここのところバンドが敢行してきた小規模なウォーム・アップ・ライブのパターンにならったものになっていたが、この日、この巨大なオーディエンスの前にいきなり場を移したことについてバンドはなんの問題も感じていないようだった。

セットを通してところどころでホーン・セクションやバック・コーラスなど、曲の性格にあわせてミュージシャンが出入りしていて、『13』の“トリム・トラブ”と“テンダー”は特にミュージシャンを加えることで格段に厚みを増していい演奏になっていた。特に“テンダー”などは感動的な観客の合唱を呼ぶことに。

セットの中盤まで来てデーモンも「すごい楽しいよ、今日。ほんとありがとう!」とオーディエンスに伝えた。

実際、この日の充実したノリはバンドにもオーディエンスにも共通したものだったようで、観客も文字通り全曲歌っているというのが実情だったが、それでも“カントリーハウス”は格別にファンから熱く歓声をもって迎えられた。

それから『モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ』から3曲連続で、“オイリー・ウォーター”“ケミカル・ワールド”“サンデイ・サンデイ”と続き、その後バンドはスペシャル・ゲストをステージに招待した。そのゲストは俳優のフィル・ダニエルズで次の曲を「では“パークライフ”をすこしばかりどうぞ」と紹介。

それからは“エンド・オブ・ア・センチュリー”“トゥ・ジ・エンド”と続き、それから“ディス・イズ・ア・ロウ”の素晴らしいバージョンでいったん本編を終えた。

しばらくステージから消えた後、ステージに戻るとデーモンは「今回やってきたライブについては、今本当にやると決めてよかったと思ってるよ」と断ってからアンコールをまず“ポップシーン”から始める。それから“アドバート”“ソング2”と続いてピラミッド前は狂乱状態に。

再びステージを去ると観客はバンドが戻るまで“テンダー”のコーラスを合唱し続けた。

バンドが戻ってからはデーモンが「ここでぼくたちが演奏するのは4回目なんだけど、すごいよ、まったく。信じられないくらい」と断り、それから、2回目のアンコールを自分たちの思いをすべて込めたような“フォー・トゥモロー”の演奏で始めていった。

そして、ついにピラミッドの終幕を飾ったのは長大なバージョンの“ザ・ユニヴァーサル”で、これも大観衆の合唱を誘った。

「じゃあ、みんな元気でね。おやすみ」とデーモンが言葉をかけて、バンド一行は今度は本当にステージを降りて行った。

セットリスト
'She's So High'
'Girls And Boys'
'Tracy Jacks'
'There's No Other Way'
'Jubilee'
'Badhead'
'Beetlebum'
'Out Of Time'
'Trimm Trabb'
'Coffee And TV'
'Tender'
'Country House'
'Oily Water'
'Chemical World'
'Sunday Sunday'
'Parklife'
'End Of A Century'
'To The End'
'This Is A Low'
'Popscene'
'Advert'
'Song 2'
'For Tomorrow'
'The Universal'

(c) NME.COM / IPC Media 2008/2009
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