マシュー・ハーバートに動物愛護団体が抗議

現在ニュー・アルバムを制作中のマシュー・ハーバートに、国際的な動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」から非難の声が上がった。

マシュー・ハーバートが取り掛かっている新作『ワン・ピッグ(One Pig)』は、1匹の豚の誕生から死(屠殺)までを追ったコンセプト・アルバム。「1匹の豚が生涯に立てる音だけで構成されている」と謳われているこのアルバムはこれまで食肉処理場から音のサンプリングを拒絶されるといったトラブルに見舞われていたが、今回はPETAが彼に対して抗議文を出した。

「本物の才能や創造性を持った人なら他人の注意を引くために動物に危害を加えたりしないはずです」とその声明には書かれている。「豚は好奇心豊かで高度な知性と鋭い感覚を持った動物であり、食肉処理場に送られると恐怖に駆られ、ナイフから逃れようと必死にもがき、叫びます。彼らはマシュー・ハーバートやその他の残酷さはエンターテインメントだと考えるどんな人間よりもはるかに敬意に値する存在なのです」

マシュー・ハーバートはこの抗議に対して「困惑している」と話し、自身のブログで『ワン・ピッグ』にはエンターテインメント以上の動機があるのだと語っている。「僕は肉を食べる。年をとるにつれ、僕はこの事実があまり誇らしく思えるものではないと考えるようになった。でもやはり僕は肉を食べているわけだから、こうした行為が意味していることをきちんと理解する責任があると思う」

ブログに掲載した文章の最後で、ハーバートはアートには不快な考えを喚起する役目もあると書いている。「僕はアートや音楽はある程度まで異議申し立ての理念を支持するべきものだと思った。その中心目的の1つは時代ごとの妥協や軋轢と公の場で苦闘することではないだろうか? この声明では、PETAはまるで不快極まる腐敗したシステムが見えない場所で、問題にされることもなく、誰からも注意を向けられないまま旺盛に増殖している一方で、アーティストやミュージシャンは隅の方でぼんやりと突っ立っていればいいと言っているように思える」
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