サンプリング音源を大胆に使用した楽曲で、当時チャート1位に輝いたポール・ハードキャッスルの反戦トラック“19”が、25年ぶりに再リリースされることになった。
もともとこの作品はベトナム戦争へ派兵されていた若いアメリカ兵たちをモチーフにしていて、タイトルの“19”とは兵士たちの平均年齢を指していた。そんな曲を今回あらためて作り直すのは、アフガニスタンへ派兵されている兵士たちが置かれている苦境に世間の関心を向けるためだという。
今回のプロジェクトをポールが思い立ったのは、アフガニスタン紛争で命を落としたイギリス海兵隊員ジョージ・スパークスがポールの息子の友人だったからだという(スパークスもまた19歳だった)。
「なにもぼくがやる必要はないのかもしれないけど、ぼくは伝えたいことをきちんとみんなに届ける手段を持っているからね。あのレコードを作ったのは紛れもなくぼくだったわけだから。これがまた別な人だったら、こういうことにはならなかったのかもしれないけど」とポールは説明する。
「実際に現地に行ったことがあったり、今も行っている人たちやその人たちの家族とかから、手紙とかメールをもらって、ぼくのやっていることにとても共感を覚えるなどと言ってもらえたりすると、それはぼくにとっては最高の褒め言葉になるんだよ」
「ぼくたちの置かれた状況というのは25年前とそう変わらないものだと思うんだ。そして、このレコードをできれば、アフガニスタンという言葉を含めずに出したかったと思う。ぼくがそういうことを言えるということがとても重要なことなんだよね。ずいぶんと昔にやった作品ではあるんだけどね」
シングルはチャート1位に輝いた25年後の今年、4月19日にリリースされる。
(c) NME.COM / IPC Media 2010
あの反戦シングル“19”が25年ぶりに再リリース
2010.04.05 18:00