ドクター・ドレー、『ザ・クロニック』のデジタル配信をめぐって古巣のデス・ロウに勝訴

ドクター・ドレー、『ザ・クロニック』のデジタル配信をめぐって古巣のデス・ロウに勝訴 - 1992年作 『ザ・クロニック』1992年作 『ザ・クロニック』

春頃のリリースといわれた新作『Detox』が待たれるドクター・ドレーだが、自身のソロ・ファーストにして、ヒップホップ史上最高傑作の1枚ともいわれる1992年の『ザ・クロニック』のダウンロード配信などをめぐってレーベルのワイドアウェイク・デス・ロウと争っていた訴訟に全面勝利した。

もともとこのアルバムはドレーがビジネス・パートナーのシュグ・ナイトと設立したデス・ロウ・レコードから1992年にリリースされたが、その後、ドレーはシュグ・ナイトのやり方に不信を抱き、デス・ロウで制作した音源はすべてデス・ロウに残したままデス・ロウとの契約を解除して新たに自らのレーベル、アフターマス・エンタテイメントを1996年に設立した。

その後、デス・ロウは2009年に倒産するとワイドアウェイクに買収され、新たにワイドアウェイク・デス・ロウとしてドレーの音源の使用権も引き継がれたが、ドレーはワイドアウェイク・デス・ロウが『ザ・クロニック』をダウンロード配信しているのは不当であり、さらにドレーの許可なく自身の音源をコンピレーションに使用しているのも不当だと訴えていた。

訴えに対してロスアンジェルスにある連邦地方裁判所のクリスティーナ・スナイダー判事はこの場合の『ザ・クロニック』をめぐる販売権はCD、カセット、アナログ、8トラック・テープの4フォーマットに限られると言い渡し、ワイドアウェイク・デス・ロウによる『ザ・クロニック』のダウンロード配信そのものは禁じなかったものの、その収益は全額ドレーに譲られなければならないと裁定した。さらにワイドアウェイク・デス・ロウが新たに制作するコンピレーションにドレーの音源を任意に収録する権限はないとも言い渡したとAP通信が伝えている。

ドレーの弁護士のハワード・キングはこう語っている。「デス・ロウはドクター・ドレーの音源をデジタル配信し、ほかの見劣りするデス・ロウの音源とドクター・ドレーの音源を組み合わせてほかのアーティストの見栄えをよくしようと画策した時に、ドクター・ドレーのおうかがいを立てることをずっと忘れてきてるんですよね。今回連邦裁判所によってデス・ロウにそうした行為をする権利はないということを明確に提示してもらえて非常に感謝しております」。

(c) NME.COM / IPC Media 2011
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