リック・ルービン、アデルを語る。レッチリ、リンキン、メタリカの新作も語る

リック・ルービン、アデルを語る。レッチリ、リンキン、メタリカの新作も語る - アデル 2011年作『21』アデル 2011年作『21』

イギリスに引き続きアメリカでもアルバム10週連続1位を達成しているアデルの『21』だが、この作品にプロデュース陣の1人として加わったリック・ルービンはこれはまだ序の口に過ぎないと語っている。

チャート・ポジションとしては水曜以降にエミネムとロイス・ダ・5・9のジョイント・ユニット、バッド・ミーツ・イーヴィルの『ヘル・ザ・シークェル』に首位を譲るのではないかと見られているが、このアルバムのうち5曲をプロデュースし、レーベルであるコロンビアの副会長でもあるリックはこのアルバムの本当のピークはまだまだこの先来ると語っている。

「今はまだファースト・シングルしか出していないし、ぼくたちとしてはあと5枚は出そうと思っているからね。しかも、アデルはまだツアーもろくにやっていないし、だから、このアルバムはまだ産声を上げたばかりの状態なんだよ。ぼくたち全員誇りに思ってるような美しいアルバムだし、それに現に今のような形で作品が人々と繋がり始めているのは素晴らしいことだと思うし、これからももっとそうなってほしいと思うよ」

そしてアデルの魅力をリックはこうビルボード誌に説明している。「彼女は自分のソングライティングのなかで本当に魂を込めていて、これがまさに本物なんだよ……また、喉の使い方があまりぼくたちには聴き慣れているものでもないんだな。彼女のやっていることは自分自身を純粋に表現したものであって、それが人々の間で共鳴するんだよ。からくりもなにもないわけなんだ。とっても誠実なアルバムなんだね」。

そのほかにもリックは相変わらずさまざまなプロジェクトに関わっているが、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの新作『アイム・ウィズ・ユー』とジョン・フルシアンテの後任として加わったジョシュ・クリングホッファーについては、ジョシュが「準家族」なのだと語っている。それはジョシュが実は昔からのジョンの親友でもあって、バンドとのツアーも経験しているからだという。スタイル的にはジョンにかなり似ているが、内容がまるで違うところが魅力で、これまでまったく聴いたことのなかったチリ・ペッパーズのサウンドを堪能できるとリックは説明している。

セッションも相当な量に及んだので、内容的には前作『スティディアム・アーケイディアム』と同様に2枚組も考えられたが、ただの二番煎じになってしまうから今回は12曲で行こうと決めていたとか。ただ、結果的に14曲になったのは、全員の意見がどうしても12曲では一致しないので、14曲にすることでまるく収めたのだとのことだ。

すでに新作に着手していることが報じられているリンキン・パークについてリックも一緒にスタジオに入って新作用の作曲作業に入っていることを認めている。典型的なやり方としては週に1度のミーティングを開いて、バンドが書いている音源を聴いてみてはみんなで話し合うという作業が多いのだとか。かなり傾向の似た楽曲群が揃っているそうで、前作『ア・サウザンド・サンズ』の制作の時にはもうこれは今回無理だなと保留しておいた作りかけの素材も相当にあったのだとか。

メタリカについては先頃、バンドとルー・リードのコラボレーション・プロジェクトのレコーディングが終わったと発表されたが、このプロジェクトについてリックは一切タッチしていないという。ただ、4人は新作を書き始める準備をしているようで、リックはラーズ・ウルリッヒとミーティングはしていて、次回の方向性をどうしようかいろいろ話し合っているところだとか。リックとしては、いずれバンドを質問攻めにする機会を設けて、そこでバンドが書いているリフもいくつか聴いて、おそらくそこで次回作の方向性のヒントとなるようなものを聴き取れるのではないかと説明していて、きっとそこからいろいろ話しこむことになると語っている。
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