ギターのトニー・アイオミのがん治療と同時に新作制作やダウンロード・フェス出演を予定しているブラック・サバスだが、ここにきてオリジナル・ドラマーのビル・ウォードがあらためてダウンロード出演やそのほか数回行われるブラック・サバスの再結成ライヴに加わらないことを宣言している。
これに対してトニー、オジー・オズボーン、ギーザー・バトラーの3人によるバンド側はバンドのフェイスブック・ページでビルの宣言へのコメントはしないとしたものの、「どんな話にも見方はふたつある」とも指摘している。
ビルは昨年11月にブラック・サバス再結成ツアーと新作制作の計画が発表された時にはメンバーとして加わっていたが、その後条件面で折り合わず今回の再結成プロジェクトからの離脱を表明していた。しかし、その後トニーの闘病のためトニーの出演するブラック・サバスとしてのライヴのスケジュールが大幅に減ったためバンドはビルに出演しないかと再交渉していた模様だが、どうやらこれもまた決裂して今回のビルの宣言に至ったようだ。
ビルはブラック・サバスとしての5月19日のバーミンガムのライヴ、6月10日のダウンロード・フェスティヴァル出演、8月3日のシカゴでのロラパルーザへの出演と、いずれにも交渉の結果、出演できなくなったことを明らかにしている。
これに対してバンド側は次のような声明をフェイスブックで発表している。
「俺たちは先頃のビルの声明については詳しいコメントは一切控えることに決めたよ。どんな話にも見方はふたつあるからね。これまで懸命にリハーサルに励んできてトニーの治療を経たあとは最高の進歩をみせているし、この先のライヴについてはしっかり後任のドラマーも決まっているよ。ダウンロードで会おう」
しかし、ビルは今回の声明で実は先月の段階でバンド側からダウンロードで3曲ほど一緒にやらないかというオファーを受けていたことを明かしている。これについてビルは「このオファーを俺は受けるわけにはいかなかった。俺が3曲しか叩けないのにほかのドラマーがそれ以外のサバスの曲を叩いているのを眺めているわけにはいかなかったからね」とその心情を吐露している。
また、19日のバーミンガムのライヴについては一緒に演奏するように招待されたが、ダウンロードやロラパルーザでの椅子は保証できないと通告され、次のように応じたとビルは語っている。「ここでも俺にとってはね、オール・オア・ナッシングなんだよ。すべてのショーをやらせてもらいたいという気持ちから俺はバーミンガムも断らざるをえなかったんだ。バーミンガムを断るというのは俺には辛いことだったんだよ。俺の家族はバーミンガムで育ったんだからね。そもそもブラック・サバスそのものがバーミンガムで育ったバンドなんだからさ」
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