伝統のアール・デコ建築ライヴ会場、ハマースミス・アポロが身売りへ


かつてはハマースミス・オデオンとして知られ、ルイ・アームストロングやデューク・エリントン、ザ・ビートルズ、ザ・ヤードバーズ、デヴィッド・ボウイの名演で語り継がれてきたロンドンのライヴ会場、ハマースミス・アポロがHMVからアメリカとドイツのジョイント・ヴェンチャーに売却されたことが明らかになった。

1932年にゴーモント・パレス・シネマとして開業したハマースミス・アポロは現在では9000人の動員力を誇り、2010年にHMVが買収して運営を続けてきていた。今回の売却についてHMVの代表のサイモン・フォックスは次のように答えている。

「ハマースミス・アポロはロンドンを象徴する会場で、ここ3年の間HMVで所有できていたことはひとつの恩恵だったと思っています」

新しくハマースミス・アポロを買収したステージCはロンドンのO2アリーナを所有するアメリカのアンスコ・ミュージック・クラブとミュンヘンにベースを置くイヴェンティムの合弁ヴェンチャーだという。なお、今回の売却が確定すると2億2千万ポンド(約1252億円)にも上るHMVが銀行から受けている融資がそのまま2014年9月まで延長されるとか。今後、売却で得た資金が負債の返却に宛て、HMV本体はソフトの販売に専念することになるという。

ただ、HMVはハマースミス・アポロ以外にもライヴ会場を13か所所有しているが、今回の決断はHMVのライヴ部門の根本的な見直しの先駆けとなる措置だと見られている。なお、昨年HMVは1900万ポンド(約23億7500万円)もの赤字を記録したが、2013年には黒字に転換するV字回復経営計画を発表して、イギリスの金融界を驚かせている。