ザ・ストーン・ローゼズは6月29日にマンチェスターのヒートン・パークでついに最初の凱旋コンサートを実現させた。

あらゆる年代を含んだおよそ7万5千人ものファンがマンチェスターの誇る最大の伝説のひとつともいえるバンドが行った16年ぶりのライヴを観るために集った。なお、バンドはこの日までウォームアップひとしきりヨーロッパでツアーを行っていた。ローゼズのヒートン・パーク・ライヴは30日と7月1日にも予定されている。

会場では午後9時をちょうど回った頃にイントロ・トラックとなったザ・シュプリームスの"ストーンド・ラヴ"がフェイド・アウト。そして、ようやく世界が待ち望んでいた出来事が実現し、イアン・ブラウン、ジョン・スクアイア、マニ、レニがステージに登場しては"アイ・ウォナ・ビー・アドアード"を鳴らし始めた。

その後バンドの演奏は"マージー・パラダイス"、"シュガー・スパン・シスター"、"ホエア・エンジェルス・プレイ"と続き、イアンは「みんなにもわかったように、俺たちまだ失くしてないぜ」と口にした。

イアンが黒のライダースジャケットを着込んでいた一方で、ジョンはタータン・チェックのジャケットを羽織っていた。マニはペイズリーのシャツをまとい、レニはドレッドロックのウィッグを被っていたがおそらく90年代に自分の後任となったロビー・マディックスへの一礼なのかと思われている。マニはピンクとイエローのサイケ調に彩られたベースやサポートを務めたザ・ウェイラーズへの敬意を表したような赤、黄色、緑のラスタ・カラーのベースなど数本のベースを弾き分けていた。

終盤への足掛かりとなった"ラヴ・スプレッズ"ではイアンは黒のTシャツ姿になり、レニはドレッドロックのウィッグの上からさらにレニ・ハットを被ることに。曲のエンディングではイアンはバンドの復活を祝いつつ観客からの喝采を要求するラップ・パフォーマンスによるジャム・セッションを続けた。

"ディス・イズ・ザ・ワン"に入る前には誇らしげなイアンが「マンチェスターから来た人は?」と観客へ問いかけ、最後の数曲へと雪崩れ込む前に「こうやって見てると、やっぱり俺たちのライヴには今一番かわいい女子ばっかり来てるね!」と驚いてみせた。

しかし、その後イアンの毒舌も健在ぶりであることをみせ、"エリザベス・マイ・ディア"の前には「この曲は通りの行く着くところに住んでいる、60年もの暴政を祝ってる寄生虫どもにお贈りします」と棘のあるコメントを述べた。

さらにバンドは期待に充分応える"アイ・アム・ザ・レザレクション"の演奏を披露し、後半の熱狂的なエピローグへとたたみかけていった。終演後、メンバーは抱き合い、ステージ前に一緒に立って挨拶をし、歓喜に満ちた様子で退場し、アンコールには応えなかった。

その後、観客がはけてボブ・マーリーの"リデンプション・ソング"が流れる中、盛大な花火が打ち上げられた。

ローゼズの前に前座を務めたプライマル・スクリームはマニの後任となるマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのデビー・グージを迎えて初のイギリスでのライヴとなったが、バンドは大作にして新曲の"2012"も披露した。

その前の出番を務めたボブ・マーリーのバック・バンド、ザ・ウェイラーズはイアンの要請で3日連続の出演を予定していて、この日は"3羽の小鳥"、"ノー・ウーマン・ノー・クライ"、"ワン・ラヴ"などのボブの名曲を披露した。その前はザ・ヴァクシーンズがセカンド・アルバム『ザ・ヴァクシーンズ・カム・オブ・エイジ』の収録曲を初披露する内容の出番となり、トップバッターは地元マンチェスターのスカ・バンド、キッド・ブリティッシュだった。

1983年にマンチェスターで結成されたローゼズは80年代末のマンチェスター・シーンによるイギリスの席巻を象徴するバンドだった。89年にリリースされたファースト・アルバムは今も史上最高傑作と呼ぶ人も多い。しかし、セカンドをリリースするまで94年までかかることとなり、バンドは96年に実質的に解散した。何年にもわたってバンドは再結成を否定してきたが、昨年10月についに再結成を発表。さらに先月にはマンチェスター近郊のウォリントンでウォームアップのためサプライズ・ライヴも行った。

現地にはRO69から児島由紀子も参加しており、ブログでその模様をアップしていきます。

'I Wanna Be Adored'
'Mersey Paradise'
'Sugar Spun Sister'
'Sally Cinnamon'
'Where Angels Play'
'Shoot You Down'
'Bye Bye Badman'
'Ten Storey Love Song'
'Standing Here'
'Fool's Gold'
'Something's Burning'
'Waterfall'
'Don't Stop'
'Love Spreads'
'Made Of Stone'
'This Is The One'
'She Bangs The Drum'
'Elizabeth My Dear'
'I Am The Resurrection'

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