ナパーム・デス、ラクーナ・コイルらを抱えるレーベルが音源をウェブでダウンロードしたユーザー7500人を起訴

ナパーム・デス、ラクーナ・コイルらを抱えるレーベルが音源をウェブでダウンロードしたユーザー7500人を起訴 - ラクーナ・コイル 最新作『ダーク・アドレナリン』ラクーナ・コイル 最新作『ダーク・アドレナリン』

アーキテクツ、イン・フレイムス、ナパーム・デス、アイスド・アース、ラクーナ・コイルなどのアーティストを抱えるレーベルのセンチュリー・メディアは、ファイル共有サイトでのダウンロードをめぐって7500名あまりのリスナーを法廷で訴えることを明らかにしている。

レーベルはドイツに本拠を置いているが、裁判はアメリカのニュージャージー州で起こされ、アイスド・アースの昨年のアルバム『ディストピア』をファイル共有サイトなどでダウンロードしたとして4327人のユーザーを、さらに今年リリースされたラクーナ・コイルの『ダーク・アドレナリン』をダウンロードしたとして3136名のユーザーを訴えている。

ユーザーの姓名は全員訴状のなかでは「ジョン・ドウ」という仮名になっているが、訴状には全員のIPアドレスが列記されており、裁判でセンチュリー・メディア側が勝訴した場合、各プロパイダ業者は被告のIPアドレスの個人情報をすべて開示しなくてはならないことになる。

センチュリー・メディアや他にふたつのレーベルの法律顧問を務めるジェイ・マクダニエルは、今回の訴えについてニュース・サイトのノースジャージー・コムに対して次のように説明している。「多くの人たちが理解していないのは、流通が悪影響になっているってことなんですよ。クライアントのレーベル各社だけでなく、カルチャー産業そのものやクリエイティヴな企画一般にまで被害をもたらし、損ねています。ファイル共有サイトでのダウンロードは疫病の大流行のような規模で蔓延していて、著作権所有者のクリエイティヴな作品がビット・トレントなどで不法に盗用され、1日単位で何千もの仕事が奪われているんです」

「これは弱小のプロデューサーの息の根を止めてしまうだけでなく、エンタテイメント産業にとてつもなく破壊的な影響を及ぼしているのです。今となっては、レコード・セールスはもうエンタテイメント産業の機動力とはなっていません。今ではツアーがその役を担っています。インターネットでのダウンロードやファイル共有によってある産業そのものが抹殺されたわけなんですね」

今回の裁判で有罪が確定した場合、その後の裁判によって7500名の被告には高額の罰金が算定される可能性があるが、2900ドル(約22万6千円)を支払ってその後の裁判を避けることもできるという。

センチュリー・メディアは、昨年スポティファイから自社の音源をすべて引き上げたことでも話題を呼んでいる。この時に発表した声明文でセンチュリー・メディアはスポティファイのシステムは「前向きなものにはなっていない」としていて、スポティファイのサービスは「いまだに採算を取るのに苦労している弱小バンドを完全に抹殺してしまうようなマイナス・スパイラルにしかなっていない」と指摘していた。

(c) NME.COM / IPC Media 2012
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