トム・ヨーク、引退後は絵描きになりたいと語る

トム・ヨーク、引退後は絵描きになりたいと語る

男優のアレック・ボールドウィンはニューヨークのラジオ局WNYCから先頃インタヴュー番組を任されることになり、これまでジャド・アパトー監督、女優のレナ・ダナム、プロ・アメフト・チームのインディアナ・コルツのQB、アンドリュー・ラックらとの取材に成功しているが、ここにきてトム・ヨークとのインタヴューに成功して一般公開している。

インタヴューでトムはアトムス・フォー・ピースに乗り出した動機やレディオヘッドとの折り合いなどについて話していて、アトムス・フォー・ピースについてはまずは『ジ・イレイザー』という自分のソロ作品があってそのライヴ演奏を目的として結成されたことをトムはアレックに説明していて「(作品制作とは)まるで違うプロセスだったからね。どこに行こうとしているのかわかっている時には、つまり、どんな曲なのかもうあらかじめわかってる時にはいつだって楽しいもんだよ」と語っている。

「作品を書こうとしてるわけではなくて、すでに書かれたものを再現しようとしてるわけだからね。するとクリエイティヴなプロセスとはまるで違って、すぐに楽しいものになるんだよ」

またトムはアトムス・フォー・ピースを思いついたのはフリーなどの知り合いとロスアンジェルスで一緒につるんで遊んでみるいい言い訳にもなるからだと解説しつつも、アトムス・フォー・ピースをやることでレディオヘッドから一歩引いてみるためのいい方便なのだと説明している。また、アトムス・フォー・ピースだけでなく、レディオヘッドでも様々な試みをくり返していることについて次のように語っている。

「自分がこのバンドにいて、このバンドが巨大なメジャー・レーベルに契約している、ものすごく大袈裟な『バンド』になってることに気付くと、いろんな意味合いがそこにもう付着しているのがわかるんだよね。でも、学生だった頃にバンドを始めた時にはいろんなものを聴き漁りながら自分たちの活動もやっていたのに、それが枠を固められてきているような気分になってイライラしてくるんだよ。だから、ある程度経った時点から、その枠からどうやって自由になるかってことを考えて行動に移し始めるんだよ」

なお、16歳の時にレディオヘッドを結成した動機について、トムは何度かバンドで失敗してきて、どうしてもバンドをうまくやってみることが自分には必要だと思えたと説明していて、現在のメンバーに声をかけたと振り返っている。その際、エド・オブライエンは「モリッシーのようなルックスをしていていつも靴下がお洒落だったから」と説明し、コリン・グリーンウッドについては「ギターが上手だと知っていて、ベースには演奏がうまいやつが必要だとわかっていたから」としている。また、コリンのポイントはもう一つあって、それは「弟のジョニーが伝説的な音楽的神童として有名だったから」だとか。そしてフィル・セルウェイについては「みんなが知っている唯一のドラマーだったのと、フィルの家にはリハーサルに使える部屋があったから」と説明している。

また、フィルが全員のうちでも年上でいろいろノウハウを知っていて、活動の一番最初からデモ音源を作ってみることができたことが全員の動機にとっても大きかったとトムは振り返っている。

さらに引退後に考えられる自分の姿として次のように説明している。

「一緒に美大に行って、ぼくたちの作品のデザインを全部ぼくと一緒にやっている友達のスタンリー・ドンウッドといろいろ話すんだけどね。ベルリンにひと月ほど滞在してただ絵を描き、いろいろ悪さなどしてみたいなってね。それでぼくたちは日曜絵描きと名乗って、ろくでもない写生旅行に週末に出かけたりするんだよ」

ただ、バンドが物理的に終わるというイメージは考えたことがないとトムはインタヴュー中語っているが、アトムス・フォー・ピースを含めてここのところまったく休みなく活動を続けているのでどこかで長い休みは必要だとも語っている。

トム・ヨークのインタヴューはこちらから→
http://www.wnyc.org/shows/heresthething/2013/apr/01/
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする