ジョン・フルシアンテ、ブラックナイツとのヒップホップ・アルバムを語る

ブラックナイツ『MEDIEVAL CHAMBER (Produced by John Frusciante)』1月8日発売

ジョン・フルシアンテがプロデュースした楽曲/トラックにクライシス・ザ・シャープシューターとラグド・モンクによる「ブラックナイツ」のラップがのるアルバム 『MEDIEVAL CHAMBER (Produced by John Frusciante)』が1月8日に日本先行リリースされるが、同作について語ったジョン・フルシアンテとブラックナイツのインタヴューが公開された。

このインタヴューは、日本盤に封入される特典40000字インタヴューから一部を抜粋したもの。ジョン・フルシアンテとブラックナイツのインタヴューは以下の通り。

ジョン・フルシアンテ インタヴュー
「モンクとクライシスがボクシングをテレビで観るために遊びに来たんだ。その時にクライシスから『ブラックナイツのために曲をプロデュースしてくれないか』と言われ承諾したんだ。そこからコラボレーションをするようになった。その後半年間は、自分の音楽を作りながら、彼らのためのトラックをプロデュースするようになった。それがこのブラックナイツとのファースト・アルバムになった。ある時期から、自分自身の音楽制作をやめ、ブラックナイツだけに専念するようになった。ブラックナイツのプロデュースにしか興味がなくなってしまった。自分のための音楽的な自己教育を続けながら、彼らに貢献できることが分かった。五年前は考えられなかったことだよ。

他のアーティストがプロデューサーから求めているのは『このテイクは良かったかどうか』とかそういうことだ。ブラックナイツのヴォーカルをレコーディングする時、良いテイクだったかどうかは、彼らが判断するわけで、俺は口出しをしない。実は彼らのヴォーカルをレコーディングする時、彼らと同じ部屋にいるし、俺はヘッドフォンをつけてないから、彼らの音をモニタリングしてない。彼らがラップを終えると、俺は彼らに「どうだった?」と尋ねるんだ(笑)。彼らが聴き返そうというと、そこでやっと一緒に聴く。俺がバンドにいた頃は、曲作りの最中は何をやるのでもディスカッションが行われ、いちいち何に対してもメンバーが疑問をもつんだ。そのプロセスは、今の俺にとっては耐えられない(笑)。ブラックナイツとの作業では議論は何も行われないし、お互いの自然な表現方法を組み合わせているだけなんだ。

自分にとって難しいと思っていたことを乗り越えられるとやりがいを感じるんだ。そういうことに俺は一日を費やしている。かっこいいと思うサウンドを作るとか、人を喜ばすサウンドを意識して音楽を作っているわけではない。ブラックナイツと作業する時、意識しているのはモンクとクライシスがどう思うかということくらいだよ。別に彼らの意見を気にしているわけではなくて、彼らがラップしたくなるようなトラックかどうかが大事なんだ。そういう意味で、俺にとってすごく開放的な音楽制作の方法なんだ。RHCPで、メンバーがみんな楽器をレコーディングしてから、俺が曲を破壊したら大変なことになるよ(笑)」

ブラックナイツ インタヴュー

Rugged Monk/ラグド・モンク(以下R)
Crisis Tha Sharpshooter/クライシス・ザ・シャープシューター(以下C)

●ブラックナイツはどのようにして結成されたのでしょうか?もともと四人組だったのが二人組になったのですよね?
C「ブラックナイツは、ストリートでラップしている仲間が集まって結成されたグループなんだ。もともとメンバーはもっとたくさんいてウータン・クランみたいに大きなクルーだった。でも結局メンバー四人が残り、そのメンバーでウータン・クランと1998年に契約した」
R「実際にデモを最初に作ったのが1996年。四人のメンバーは、 ドック・ドゥーム(Doc Doom)、ホロコースト(Holocaust)、ラグド・モンク、クライシスだった。ドック・ドゥームは、2008年にコンプトンで銃殺された」
●コンプトンとロングビーチにはギャングが多く、ドック・ドゥームも殺されたという話でしたが、あなた達もストリート・ライフを経験したのでしょうか?
R「そうだな。ラップをする前は、そういう環境の中で育った。マジでヒップホップに人生を救われたよ。ヒップホップがなければ、俺はここにいないよ(笑)。俺達はストリート・ライフの中で育った。でも真剣に音楽に取り組むようになってから、過去にやったことと距離を置いて、新たな道が開いたんだ」
C「14歳の時から、普通の14歳がやらないようなワルイことをやっていたよ(笑)」
R「俺は14歳の時に刑務所に初めて入った」
●ジョンと最初に出会った時、彼がレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(RHCP)のメンバーだということは知っていましたか? それとも、RZAの友達という認識でしたか?
R「最初に会った頃は、彼がRHCPのメンバーだということを知らなかった(笑)。最初はただRZAの友人のジョンという認識で何回か遊びに行き、RHCPのジョン・フルシアンテだということを知った。彼は既にRHCPを辞め、ソロ・アルバム『The Empyrean』の制作をしていた。その後、彼は『Letur-Lefr』にフィーチャーしたいということで、レコーディングに誘ってくれ、その時にジョンと初めて仕事をした。別の曲でレコーディングも誘ってくれた時にジョンが『クライシスも呼んでくれない?』と言ったので、クライシスも誘ってレコーディングをした。その時に“Keys To The Chastity Belt”をレコーディングして、そこから始まった」

日本盤ボーナストラックに収録される“Never Let Go”の音源はこちらから。

リリースの詳細は以下の通り。

●リリース情報
BLACK KNIGHTS
『MEDIEVAL CHAMBER (Produced by John Frusciante)』
発売日: 2014.01.08
品番: DDCB-12531
1.Drawbridge
2.The Joust
3.Medieval Times
4.Trickfingers Playhouse
5.Sword In Stone
6.Knighthood
7.Deja Vu
8.Roundtable
9.Keys To The Chastity Belt
10.Camelot
11.Never Let Go -Bonus Track for Japan-
12.Wayne Remix -Bonus Track for Japan-