カサビアンのサージ、ポール・マッカートニーのような人物は二度と現れないと語る

カサビアンのサージ、ポール・マッカートニーのような人物は二度と現れないと語る

2月26日に開催されたNMEアウォーズ授賞式で「ソングライター中のソングライター賞」を受賞したポール・マッカートニーについて、カサビアンのサージ・ピッツォーノが次のように『NME』に語っている。

「僕たちがポール・マッカートニーのような人物をこの先目撃することはもう二度とないだろうね。ポールは完璧にユニークな存在なんだよ。僕たちはああいう巨匠と一緒の時代を生きて目撃することができたことをありがたく思うべきなんだよ。作曲家として天才的だからね。メロディを自由に操ることができて、僕が想像するにポールの場合、きっと朝目が覚めてベッドから出てなにかにつまづいた拍子に『あっ、メロディを思いついた』ってなるとか、そういう世界なんじゃないかと思うんだ。あるいは朝食の半熟卵とソーセージを食べていて、卵の殻をスプーンでとんとんと叩いた拍子に『あっメロディがきた! よしよし、使わせもらうぞ』とか、そういうバカバカしいくらいの世界なんじゃないかと思うんだよね。それと歌詞ももう美しいまでに直接的だからね。あまりにもシンプルで殺人的なんだよ。その表現の仕方が、まるでなんの作為も感じさせないからなんだ。っていうか、こういう調子で、いくらでも挙げ連ねていくことができるんだけど、こういう人を目撃することは二度とないんだと思うよ。なにもかも、すべて兼ね備えて持っているからね。ほんとにありえないくらいなんだよ。たとえば、ここ数作の作品でもそうで、っていうか、僕にたちにはポールがアルバムでどれだけ楽器を弾いてるのか、その実際を知ることはかなわないわけだけど、ポールはきっとほとんど全部弾いているんじゃないかと、僕は思うんだよ。みんなバンドがやっているものだと想像しがちなんだけど、これまで聴いてきたものの中でも大多数のトラックでポールは実は自分一人で仕上げてるような気がするんだ。ポールはベーシストとしても最高だよ。僕、個人的には史上最高峰のベーシストだから。なんでもできる技量を持ちながら、誰にも思いつかないちょっとしたことをやったりして、ポールの持ってるベース・リフを越える人は誰もいないと思うよ」

「これだけ息の長い活動を出来ているのは、いい曲を書いてるからだってことだよ。どのアルバムにも素晴らしい曲が揃っていて、そこだよね。自分の方向性がどうなって自分にどんなことが起きようとも実はそんなことはどうでもいいことで、曲さえよければ、人はちゃんと聴いてくれるものなんだよ。でも、僕が思うに、そんなポールは他の誰よりも懸命に仕事をしてると思うんだ。今でも自分を追い込んで、今でも音楽が好きで、新しい音楽、新しいアイディアに関心があって、やっぱり次の一手はどういうものなのかってみんなも気にしてるくらいの人だからね。一つのプロジェクトが終わるとすぐに次に行っている感じだし。それって本当にすごいことだよ。あのペースでこれだけずっと聴かれている音楽を作り続けてきたって考えるとね。それにこの先聴き継がれるという意味ではほんの一握りの人しか残されないはずだし、過去の偉大な作曲家と肩を並べて見られている人でもあるんだからさ。将来はそういうものとして記憶されていくことになるわけだし。モーツァルトとか、そういうね。(ポールの音楽が)この地球上から消えることは絶対にないことだよね。この惑星が自分で自分を破壊しない限り、ずっと残っていくものになるはずだよ」

(c) NME.COM / IPC Media 2014
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