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「2006」のサングラスをかけてスタスタと歩いて登場したカエラ、ステージのど真ん中まで歩いたらピタリと後ろ向きに仁王立ちになってバンドを見渡し、のっけからドスの効いたへヴィチューン“TREE CLIMBERS”をぶっ放す。ジェットコースターのように上へ下へと会場を揺らしながら、次のジャッジャッジャという“リルハ リルハ”のギター・イントロが鳴り出すと、晴れやかな笑顔が自然にこぼれ、会場をあたたかな太陽の光で包み込む。MCをはさんで、現在CMでもお馴染みのビークル作曲のしっとりしたポップ・チューン“Snowdome”を披露。このオープニング3曲を聴いただけで、彼女の広大な音楽性とポテンシャルの高さがバシバシ伝わってくる。06年のミュージックシーンにどっしりとした独自の存在感を確立しながらも、決してそこに落ち着くことなく、心赴くままに、鋭敏な反射神経でもって、ひょいひょいと壁や川を飛び越えていくカエラ。そのカジュアルなスタイルとつねに平静な心を保つ知性は、誰もが憧れながらも決してマネできない彼女だけの大きな才能だろう。“Circle”、“BEAT”、“Magic Music”と最強ナンバーを立て続けに演奏、“Circle”で会場が一体となってタオルをくるくると回す光景はいつもながら壮観! そして最後に「2007年がハピネスな年になるように」という願いをこめて“happiness”という07年への置き土産を残してくれた。(井上貴子)