軽やかなピアノのイントロに合わせて両腕を広げ、明るい笑顔を輝かせた木村カエラ。1曲目は“A winter fairy is melting a snowman”。キラキラしたメロディに溢れたこのウィンターチューンを浴びるのは、最高の贅沢! フロア全体に、みるみる内に笑顔の輪が広がっていった。
バンドサウンドに負けないくらいの勢いでお客さん達の腕が激しく振り上がり、絶大な一体感を生み出した“喜怒哀楽 plus 愛”が終り、最初のMCへ。「どうも、木村カエラです。すごい人だね。気持ちいいですね。みんな元気? とうとう年末になってしまいました。早いね1年って。客席はきつい? でも、寒くなくていいね。みんながくっついていると(笑)。外へ出た時に風邪をひかないように。着替えはあるの? 良かったらわたしのTシャツ買って帰って(笑)。今回かわいいんだよ! わたしのTシャツが温めてあげるから。じゃあ、新しいアルバムの曲を。知らなくてもいいから乗って」。カエラが人懐っこくお客さん達に語りかけ、演奏が再開される。タテノリで揺れるお客さん達のエネルギーとステージ上から放たれるサウンドが融合する様に無条件に興奮させられた“Make my day!”。頭上クラップの嵐となった“KEKKO”。爆音が轟く中、カエラが腕を振り上げたり、手拍子をしながらお客さん達を煽り続けた“TREE CLIMBERS”。怒涛の勢いで3曲が駆け抜けていった。
バンドメンバーを紹介した後、「ここで幸せな曲をやりたいと思います」と語って始まったのは“Butterfly”。何処か郷愁を誘うメロディに合わせて、ゆっくりと身体を揺らすお客さん達。曲の終盤、フロア全体でみんなの腕が揺れる光景が本当に綺麗だった。「タオル持ってる? サビになったら一緒にタオルを回して」と冒頭でカエラが呼びかけ、みんなバッチリとスタンバイ。そして、ものすごい数のタオルがカラフルに回転した“Circle”。カエラもエレキギターを掻き鳴らし、極上のビートを叩き出した“BEAT”……ロックスター・木村カエラの魅力を高密度で体感したひと時となった。
「ありがとうございます。次で最後の曲です。早いですね。こうやって今年も終わろうとしています。今年は『歌う』ってことについてすごく考えました。最後にこの曲を選びます。みんな笑って楽しく生活していってね」。最後のMCを経て“Magic Music”。歌う喜びに溢れ返っていたカエラの姿が、ものすごく眩しかった。お客さん達は全力でジャンプしながらダンス! 最高にポジティヴな雰囲気に満ちたクライマックスとなった。「ありがとう。来年がみなさんにとって良い年になるように願っております」と語りかけ、ステージを後にしたカエラに向けて、惜しみない拍手が届けられていた。(田中大)
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