2年連続出演となった斉藤和義。いつもどおりにふらりとステージに現れたせっちゃんだが、この日のセットリストは少し変わっていた。3曲目で自身もレコーディングに参加したICE“FOOLS”をカヴァー。こうやって人の曲を歌う斉藤和義を観ると、改めて、その「歌うたい」としての素晴らしさに気付かされるが、今日この歌を歌ったことには別の意味があった。彼が「兄貴」と慕っていたICEの宮内和之氏が、12月18日に亡くなったばかりなのだ。“通りに立てば(飛ばすぜ!宮ニィ)”を入れてきたのも同じだろう。タイトルにある宮ニィとは宮内氏のことである。EARTH STAGEにいた人のうちどれくらいがそのことを知っていたかはわからないし、そもそもフェスという場を考えれば知らなくていいことかもしれない。だから斉藤も何も言わなかったのだろうし、パフォーマンスは感傷的というよりむしろアッパーだった。だが“歌うたいのバラッド”がいつにも増してエモーショナルに響いたのは、決して気のせいではないように思う。(小川智宏)
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