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いつも気張らず、ゴーイングマイウェイを貫いてきたように見える斉藤和義にとっても活動15周年を迎えた2008年は、やっぱり大きな意味をもった節目になったんじゃないか。ベスト盤と、それに続く新曲のヒットで、 さらに新しい世代までファン層を広げた感のある彼のライヴは、まさに余裕と歌心たっぷりのパフォーマンスだった。例によって詳しい曲目はまだ書けないのだけれど、しょっぱなからあの名曲でジャーンとギターをかき鳴らして、サビで目をつぶって声を張り上げると、切なさのような、ホッとするような、不思議にあったかいグルーヴがすうっと広がっていく。「えー。サイトウです。……。アレですね。暮れですね」みたいなMCとかは相変わらずの脱力っぷりだけど、演奏も声も、なんというか脂が乗りまくっている。セクシーである。凄腕ぞろいのバンドとの息もぴったりで、気づけば会場全体がノリノリで手拍子&合唱している。15年間ずっとやさぐれてるし、ダメ人間っぽいし、音楽以外のことは本気でどうでもいいと思ってそうだし。でも、これからもロックの神様に愛されたまま、こうやってこの人は進んでいくんだろう。そんなふうに思いました。(松村耕太朗)