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時間ぴったりに、おなじみメガネの上にサングラス装着&Tシャツの上に黒ジャケット姿でステージに現れた向井、サングラスをはずして1曲目は……って大阪もあるので曲名書けないのが非常にもどかしいですが、いきなり、それはそれはもうねばっこく濃密なグルーヴが広い広いフロアを満たしていき、3分が経過する頃には、まだ1曲目なのにホール1&ホール2がすっかりZAZENカラー一色に染まっているさまは圧巻だった。 そう、グルーヴを形容する時って、「激しい」とか「うねる」とか「太い」とかいろんな言い方があるが、ZAZENの場合「ねばっこい」が最もふさわしい。6月の日比谷野音が加入後初ライヴだった新ベーシスト、吉田一郎も、もう何年も前からいたみたいにすっかりなじんでいる。  にしても、かっこよすぎ、スピーカーから出てる音自体が。リズムがシンプルでオーディエンスが踊ったり跳ねたりできる曲と、変拍子だったりBPM遅かったりして、石のように固まってただステージを凝視するしかない踊れない曲が、ZAZEN BOYSの場合あるんだけど、特に後者。こっちが固まっている時になすすべもなく耳から流れこんでくる音、それが脳内に引き起こす快楽がすごい。レッド・ツェッペリンにならってアルバム・タイトルを付けてるバンドなのはダテじゃない。そんなこととうに知ってたつもりだったけど、改めて圧倒された。あと、日本ロック・ドラマー界の至宝=松下“二段”敦、最近観る度に痩せてるように見えるのは気のせいだろうか。数年前、バッファロー・ドーターやズボンズで叩いてるのを観た頃とは、ほとんど別人のようなことになってます。(兵庫慎司)