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 新バンドZAZEN BOYSを率いて、向井秀徳が本フェス二度目のステージにあがった。「MATSURI STUDIOの地下室からMATSURIセッションを経てやってまいりました」という恒例のMCに続き、ひょうたんから酒を飲む向井に、早くもオーディエンスから歓声が飛ぶ。狂乱節が始まる。
 1曲目は、発売が待たれるアルバム『ZAZEN BOYS』の冒頭曲“Fender Telecaster”。向井の女性的なファルセットが印象的なソウル・ナンバーだが、ライヴでは鋼鉄の殺傷力が際立つ。大きな会場で観ると、バンドが怪物的なスケール感を秘めていることが伝わってくる。四曲目“開戦前夜”の即興的なアンサンブル、続く“USODARAKE”の異常事態宣言のようなリズム、すべてが壊れた現実そのもののようなジャンク感を宿していた。この「凄み」が完璧に盤に刻まれたとき、彼らはナンバーガールとの比較論を超えるだろう。
 そして、「来年から我々は動く。ドラマー、アピートイナザワンテ!」という向井のMCと共にラスト“自問自答”へ。マイク片手に壊れた現実を暴いていく、この向井流ヒップホップ・ナンバーは現在の彼らの最高傑作だ。アヴァンガルドかつポップ、という奇跡のバランスがここにある。この冷凍都市を生きるすべての人のサウンドトラックがここにある。
 総じて、バンド構成員であるアヒト(ドラム)、吉兼(ギター)、日向(ベース)のスキルと、誰よりも静かに現実を直視する覚醒者=向井の資質が全開になったパフォーマンスだった。ZAZENワールドに初めて触れる人にとって、忘れられない体験になったはずだ。(大前多恵)
木更津から参戦!
ZAZENとバック・ドロップ・ボムが目当てな3人組
神奈川&千葉から来ました。ZAZENとくるりが楽しみ!スパルタローカルズも最高でした!