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 これまでもCDJや夏のロック・イン・ジャパンには何度となく出演してきた曽我部恵一BAND。でも、その長い“下積み期間”を経てデビュー・アルバム『キラキラ!』を遂にリリースした2008年の締め括りとなる幕張のステージは、きっと彼らにとっても特別なものだったはずだ。

 ステージに現れた4人はまず円陣を組んで声を上げ、そのまま一曲目“恋人たちのロック”から“トーキョー・ストーリー”へ。ここ最近のソカバンのライヴでは恒例の流れである。でも広いフロアで数千人が「ヘイ!!」と声を上げる様子は、なんだかすごくグッとくる。“キラキラ!”“街角のうた”など鉄板のナンバーをずらりと並べ、どんどんフロアの温度を上げてゆく。“テレフォン・ラブ”や“青春狂走曲”では数千人の大合唱が響き渡る。そしてラストは、稀代のアンセム“魔法のバスに乗って”から、こんな広い会場でもマイクを使わずに歌った“mellow mind”。ソロデビューから9年、数々の変遷を経て、まるで青春そのもののような生々しく熱いロックンロールに辿り着いた曽我部恵一。その成果は、汗まみれのTシャツと笑顔が、何より証明していた。(柴那典)