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 暗転したASTRO ARENAに高らかに響く、“Intro~Here Comes the SEAMO~”の中、ゆっくり姿を現した稀代のエンターテイナー・SEAMO。「私の名前を呼んでください!」の絶叫で「SEAMO!」コールを巻き起こしたところで勢いよく上着を脱ぎ捨てーーいきなり恒例のストロング・スタイルへ! ロック・テイストの“Lost Boy”ではエッジィなトラックをダンサーとともに踊りながら乗りこなし、「みんな元気ですか! 私はもちろん下半身を中心に元気ですよ! 今から音楽を使って全員クンニします! 女性のみなさん、全員私の子供を妊娠してもらいます! 『関係ない』と思った男性のみなさん! 想像妊娠ぐらいはしてもらいます!」「魔法の言葉を教えます! 嫌なことを全部忘れられる言葉は……!」と絶好調なMCから“S.ex”でASTRO ARENAを「セックス!」コールで包んでみせる。
 「こんなに『セックス!』って叫んだの、初めてだろ?」「この姿は非常に動きやすいぜ!」と呼びかけて笑いを誘いながら、“不景気なんてぶっとばせ!!”ではフロア一面タオル風力発電所状態に変えたーーといったところで、DJタイムを経てジャケット&ハットのスタイルで再登場したSEAMO。「今からラップのジェットコースターを披露します。どんどんスピードが速くなります!」という言葉とともに流れ込んだ“Rhyme Jet Coaster”の切れ味鋭い言葉のビート感! “That's Right”《誰だ噂してるのは? you, お前か?》《Yes, that's right!》のコール&レスポンスをバッチリ決め、“ルパン・ザ・ファイヤー”ではDJのスクラッチと斬り合うようなスリリングなライムを聴かせてでっかいクラップとハンドウェーブでASTRO ARENAを包み込んでみせる……この濃厚なエンターテインメント空間を支えているのはひとえに、SEAMOのラッパーとしてのポテンシャルの高さと揺るぎないサービス精神にある、ということがよくわかるステージだった。「たくさんのステージから僕のステージを選んでくれてありがとうございました。2012年また会いましょう!」というコールとともに歌い始めたのはもちろん“マタアイマショウ”。《悲しい別れがあるから 楽しい時笑えるよな》のフレーズに湧き起こるクラップ。《もちろん君に出会えてよかった》のところで「もちろんみんなに会えてよかった!」と高らかに歌い呼びかけるSEAMO。彼ならではの誠実さに満ちた、どこまでも楽しく熱いステージだった。(高橋智樹)